著者
中村 聖平 諏訪 啓 森田 晋一 山本 和彦 若山 俊夫 大島 正資 前川 良二 松田 庄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.52, pp.13-18, 2011-05-13
参考文献数
8

既存の電波源が放射する電波を用いて,レーダ機能を実現するパッシブレーダ方式による目標観測では,新たな送信局の設置コストの低減,受信局の秘匿性向上などの特長がある.著者らは,地上デジタル放送波を用いたパッシブレーダ方式による目標の逆合成開口レーダ(inverse Synthetic Aperture Radar : ISAR)画像取得アルゴリズムを開発中である.筆者らのグループでは,同アルゴリズム検証のためのフィールド実験を2010年に実施した.本稿では,取得した実験データから高分解能なパッシブISAR画像を取得するために実施した処理内容について報告する.取得したデータを用いて,パッシブISAR画像を再生した結果,得られたパッシブISAR画像上の目標サイズが,観測した目標はレンジ方向に約35m,クロスレンジ方向に約40mの広がりを持つ目標であることを確認した.実際に観測した目標サイズは,全長39.5m,全幅34.3mであるので,画像上から読み取れる目標サイズと実際の目標サイズと概ね一致する結果を得た.
著者
松田 庄司 橋口 浩之 深尾 昌一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.355, pp.95-98, 2005-10-13

分散アレーアンテナは, レーダにおいて複数のサブアレーを分散して配置し, これらの受信信号をデジタルビーム形成することにより高利得を得るアンテナ形態である.しかし, サブアレーの配置間隔が波長に比べて十分長い場合, 通常のビーム形成方法では多数のグレーティングローブが発生する.この対策として, 我々はノルム制約及び対角荷重によりロバスト性を付加したCaponビームフォーマを用いればグレーティングローブを抑圧でき, かつビーム幅の減少によるレーダーの捜索効率の低下を防ぐことができることを示した[2].本報告では, これらのビーム形成方法において, ステアリングベクトル誤差がメインビーム利得やグレーティングローブ抑圧度に及ぼす影響が小さく, このような誤差へのロバスト性を有することを示す.