著者
大石 智広 稲垣 栄洋 高橋 智紀 松野 和夫 山本 徳司 栗田 英治
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
日本造園学会 全国大会 研究発表論文集 抄録
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.95, 2009

グリーンツーリズムの対象を示すため,景観の選好性や景観を見たときの印象,景観から想起される仮想行動を調査した。茶園は成人女性と女の子に好まれ,リラックスした体験が適すると考えられた。ミカン園は成人女性と子供が好んだ。森林は成人男性と子供に好まれ,音や景色を静かに楽しむ体験が適した。牧場は多くの人に好まれ,行動を伴う様々な体験が適した。成人女性は広々とした景観を好み,成人男性は自然的な景観を好んだ。多くの人は仮想行動が多く想起される景観を好んだ。特に子供は,飲食行動が想起される景観を好んだ。以上のことから農業景観に適したグリーンツーリズムの対象が示された。農業景観をグリーンツーリズムに効果的に活用するには,景観の好みや景観を見たときの印象や起こしたくなる行動を把握することが重要である。
著者
稲垣 栄洋 済木 千恵子 松野 和夫 市原 実
出版者
静岡県農林技術研究所
雑誌
静岡県農林技術研究所研究報告 = Bulletin of the Shizuoka Research Institute of Agriculture and Forestry (ISSN:18828264)
巻号頁・発行日
no.6, pp.65-69, 2013-03 (Released:2014-01-16)

欧米では,寄生蜂等の土着天敵の生息地となるバンカープラントとして,ブドウ畑や野菜畑等の周辺にソバを栽培する例が見られる.そこで静岡県の耕作放棄地で栽培されるソバを対象として,寄生蜂を含む訪花性ハチ目相を調査した.その結果,ヒメバチ科,コマユバチ科,コンボウヤセバチ科,トビコバチ科,ヒメコバチ科,コガネバチ科,アリヤドリコバチ科,オナガコバチ科,タマゴクロバチ科,アリガタバチ科,ツチバチ科,コツチバチ科,アナバチ科を含む多くの寄生蜂を観察した.この結果から,日本においてもソバが寄生蜂の蜜源となっていることが明らかとなり,寄生蜂の供給源としてソバを栽培することも有効であると推察された.