著者
松野 成悟
出版者
日本生産管理学会
雑誌
生産管理 (ISSN:1341528X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.133-138, 2005-01-25 (Released:2011-11-14)
参考文献数
14

現在, トレーサビリティに関する議論は, 商品の履歴情報を消費者に開示・提供することにより, 広く安心や安全を求める社会的ニーズを充足する側面が注目されている。しかし, 政府や業界団体などの主導により進められている電子タグや二次元バーコードを利用したトレーサビリティシステムの各種実証実験からもうかがえるように, 企業経営の効率化や競争力強化の視点からの検討も必要である。トレーサビリティシステムの構築により, 製品や部品, 資材などの追跡管理がより精確に, また詳細に可能となるため, 品質管理や在庫管理, 検品, 出荷, 物流業務などの効率化やコスト削減が期待できるからである。しかし, サプライチェーンの上流から下流, そしてリサイクルや廃棄段階まで一貫した商品の追跡管理を実現するためには, EDIシステムなど企業間における情報共有基盤の整備, 履歴情報の標準化, 情報の真正性の担保など, 業界全体であるいは業種横断的な取り組みが求められるといえる。
著者
松野 成悟
出版者
宇部工業高等専門学校
雑誌
宇部工業高等専門学校研究報告 (ISSN:03864359)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.135-144, 1999-03

The purpose of this paper is reviewing the Evolutionary Model of Organizing proposed by K. E. Weick, and considering its implications for Organizational Studies. The main processes of organizing are arranged as enactment-selection-retention(ESR) sequences in the Evolutionary Model. Through the detailed analysis of the ESR sequences comparing with the Contingency Theory, we found the following three points. That is to say, this model (1)makes an objection to the environmental determinism by means of the fact that the boundaries between organizations and their environments are blurred, and organizations enact their environments, (2)describes the macro properties of organizing, that is, information shared in organizations, and (3)gives the theoretical framework on organizational inertia by using the idea of organizational flexibility and stability.