著者
斉藤 康秀 井上 巖 林 文夫 板垣 博
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.1035-1037, 1987-12

3才の雌猫が白い泡状物とともに雌のハリガネムシを1匹吐出した. 虫体は体長585mm, 最大体幅1.2mmで, 体表クチクラに環状帯, 腹中線, 背中線, アリオールがないこと, 口の開口がないことからGordius ogataiの近似種と思われたが, 著しく軟化していたために種の確定はできなかった. 猫は臨床的に正常で食欲もあり, 戸外で昆虫などを捕食していたことから, ほぼ成熟したハリガネムシ寄生昆虫の捕食により感染したと思われた.
著者
小林 文夫
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.85, no.10, pp.627-642, 1979-10-15
被引用文献数
3 7
著者
小林 文夫
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.107, no.11, pp.701-705, 2001-11-15
被引用文献数
1 6

関東山地南部の三宝山帯を構成する, ジュラ紀新世後葉〜白亜紀古世前葉の付加体(御前山層)の石灰岩ブロックから18属23種の有孔虫化石群集が見出された.Codonofusiella kueichowensis Sheng, Nanlingella cf. meridionaris Rui and Sheng, Nanlingella ? simplex(Sheng and Chang), Rubuloides gibbus Reichelなどの指標種が識別されることから, この群衆はペルム紀新世前葉(Wuchiapingian)と考えられる.フズリナ類はCodonofusiellaとNanlingellaだけであり, Reichelina, Staffella, Nankinellaなどは含まれていない.フズリナ類以外の有孔虫では, Robuloidesを除くと, Colaniella, Paraglobivalvulina, Dagmaritaのようなテーチス海域の上部ペルム系に特徴的で広域的に分布する諸属を欠いている.それゆえ, この有孔虫化石群集は石灰岩の堆積年代の決定に有効であるだけではなく, ペルム紀新世の有孔虫古生物地理など関連する諸課題を検討する際の基礎資料として重要である.
著者
河村 毅 大谷 幹伸 保坂 義雄 東海林 文夫 福谷 恵子 横山 正夫
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.288-295, 1981
被引用文献数
1

昭和40年から昭和54年までの15年間に東大分院泌尿器科であつかった15歳以下の小児尿路結石症は17名で,この間の全結石症例の1.6%に相当した.性別は男12,女5で男女比は2.4:1であった.年齢は最年少が8カ月,8例が5歳以下で最年長に15歳であった.結石部位は上部結石13例(腎結石9,尿管結石4),下部結石2例(膀胱結石2),上部と下部結石合併2例(尿管と膀胱結石1,尿管と尿道結石1)であった.臨床症状は肉眼的血尿6例,発熱3例,側腹痛3例,膀胱刺激症状3例,尿閉1例,尿失禁1例とさまざまであった.上部結石13例のうち観血的治療をおこなったのは11例,13回で,このうち腎摘例が2例で腎保存出来たものは9例であった. 10例に結石成分の分析をおこない燐酸塩系結石4,蓚醗塩系3,シスチン2,キサンチン1例であった.原因疾患の判明したしのは9例,52.9%で,その内訳はシスチン尿症2,キサンチン尿症1,尿路奇形と感染3,長期臥床1,薬剤の副作用2例であった.結石 freeの状態となった12例の平均追跡期間は9.6年で,この間の再発は1例のみで再発率は8.3%であった.小児尿路結石症は結石の早期診断と原因疾患の検索が必要であり,このためには前もってたてたスケジュールにしたがって原因疾患の検索をおこなう必要がある.またX線陰性結石の疑いのある場合には腹部 CTが診断上有用である.