- 著者
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深瀬 徹
板垣 博
- 出版者
- 公益社団法人 日本獣医師会
- 雑誌
- 日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.11, pp.783-787, 1988-11-20 (Released:2011-06-17)
- 参考文献数
- 24
カルバメート系の殺虫薬であるプロポクスル (propoxur) の1%(w/w) 散剤について, 犬へ強制経取投与した場合の安全性を検討した. 供試犬16頭を1群4頭の4群にわけ, それぞれ, 無投薬対照群, プロポクスル5mg/kg投与群, 10mg/kg投与群, 20mg/kg投与群とし, 薬剤投与1週間前から投与後3週間にわたって, 各犬の一般臨床所見の観察と種々の血液学的, 血液化学的検査を実施した. その結果, プロボクスルの投与に起因すると思われる所見として, 赤血球数, 白血球数, 血小板数の減少と, ヘマトクリット値の低下, および血清α-アミラーゼ活性の上昇と, 血清コリンエステラーゼ活性の低下が認められたが, これらの変化は一過性のものであり, 投薬後1週間以内にすべて投薬前のレベルに回復した. このことから, プロポクスルの1%散剤は, 通常行われる20mg/kg程度の用量での散布では, 散布後に犬が経口的に薬剤を摂取したとしても, 重篤な副作用を発現することはないと考えられた