著者
田中 篤 林田 憲明 石川 陵一 櫻井 健司
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.377-385, 2004-12-25 (Released:2011-02-07)
参考文献数
8

聖路加国際病院では研修医の採用試験として, 学科試験・面接に加え, 1998年から適性検査であるSPI検査を導入している.今回われわれは, SPI検査の結果と, 研修医の知的能力・学科試験の成績・研修中の評価との相関を解析した.SPI検査のうち, 基礎能力検査は, 知的能力とは相関するものの, 学科試験の成績とは相関しなかった.高い基礎能力・身体活動性, 外向性は2年間平均した高い評価と関連があった.一方, 思考・実践の重視, 協調性が, 1年目から2年目への高い成長と相関していた.基礎能力は成長とは関連していなかった.以上より, SPI検査の結果は研修医のさまざまな人物特性と相関があることが明らかとなった.
著者
石田 秀一 林田 憲明 Y.M.生
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.819-821, 1998-08-01

急性心筋梗塞を起こした後の患者に,例えばLAD#6の梗塞後胸部V1〜V6でSTが上昇したままの心電図は結構みられます.このような場合は心室瘤ができている可能性があるといわれますが,心室瘤ができると,なぜSTは上昇したままになるのでしょうか.
著者
猪原 拓 寺内 靖順 神野 泰 大井 邦臣 西原 崇創 安齋 均 高尾 信廣 西 裕太郎 林田 憲明
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.38-43, 2010 (Released:2011-11-02)
参考文献数
17

たこつぼ心筋症から心破裂にいたった1例を経験したので報告する. 症例は89歳, 男性. 細菌性肺炎の診断にて入院. 入院翌日の心電図にてII, III, aVF, V2~6でST上昇を認めたため, 冠動脈造影を施行したが有意狭窄は認めなかった. 左室造影では, 心基部以外はほぼ無収縮であり, たこつぼ心筋症と診断した. 経過中, バイタルサインは安定しており, 心不全, 致死的不整脈を認めることはなかったものの, peak CK 2,200IU/Lという高値であり, ST上昇が遷延していた. 第6病日, 突然PEAとなり, CPRを施行したが, 救命できなかった. 心エコーにて心嚢液の貯留, 心嚢穿刺にて血性心嚢液を認めており, 心破裂にいたったと診断した.たこつぼ心筋症から心破裂にいたった報告は少数しかなく, 臨床的に重要な症例と考えられるため報告する.