- 著者
 
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             猪原 拓
             
             寺内 靖順
             
             神野 泰
             
             大井 邦臣
             
             西原 崇創
             
             安齋 均
             
             高尾 信廣
             
             西 裕太郎
             
             林田 憲明
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 公益財団法人 日本心臓財団
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 心臓 (ISSN:05864488)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.42, no.1, pp.38-43, 2010 (Released:2011-11-02)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 17
 
          
          
        
        
        
        たこつぼ心筋症から心破裂にいたった1例を経験したので報告する. 症例は89歳, 男性. 細菌性肺炎の診断にて入院. 入院翌日の心電図にてII, III, aVF, V2~6でST上昇を認めたため, 冠動脈造影を施行したが有意狭窄は認めなかった. 左室造影では, 心基部以外はほぼ無収縮であり, たこつぼ心筋症と診断した. 経過中, バイタルサインは安定しており, 心不全, 致死的不整脈を認めることはなかったものの, peak CK 2,200IU/Lという高値であり, ST上昇が遷延していた. 第6病日, 突然PEAとなり, CPRを施行したが, 救命できなかった. 心エコーにて心嚢液の貯留, 心嚢穿刺にて血性心嚢液を認めており, 心破裂にいたったと診断した.たこつぼ心筋症から心破裂にいたった報告は少数しかなく, 臨床的に重要な症例と考えられるため報告する.