著者
柊 紫乃 上總 康行
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.123-140, 2022-03-30 (Released:2022-03-30)
参考文献数
41

現場改善の目的のひとつは,現場改善活動による工程,工場単位での生産性向上である.従前の各原価計算手法は優れた計算構造や特徴を有するものの,改善効果を網羅的に金額測定できない.そのような課題を解決するために複数の先行研究が試みられ,その一つとして現場改善会計論(GKC)が提唱されてきた.GKCでは,「機会損失」の概念を取り入れ,改善活動を評価する計算式が提示された.本研究では,従来研究をより発展させ,改善効果としての「生産能力増大」を定義し,改善効果を計算できる概念式を提示する.さらに,生産能力増大の活用方法に注目して,改善効果の測定について計算事例を示す.その上で,改善効果が会計的にどのように現れるかについて類型化する.
著者
柊 紫乃 上總 健行
出版者
日本原価計算研究学会
雑誌
原価計算研究 (ISSN:13496530)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.76, 2017 (Released:2021-09-15)
参考文献数
28
被引用文献数
1

従来の原価計算では,物量に関わる改善効果は金額測定が容易であるが,労務費や製造間接費等の時間の短縮に起因する改善効果の測定は難しいと指摘されてきた。本稿では,これらの改善効果の金額測定を可能にするため,製造現場における 2 種類の時間概念を詳細に検討し,改善効果の見える化を可能にする現場改善会計を提示する。
著者
柊 紫乃
出版者
日本情報経営学会
雑誌
日本情報経営学会誌 (ISSN:18822614)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1-2, pp.114-123, 2020 (Released:2020-09-23)
参考文献数
29

In this article, I reconsider the valuation and evaluation of competitiveness as a management issue for companies. For this purpose, accounting is utilized, which achieves digitalization and visualization through calculation. The concept of “flow” in Gemba Kaizen (Continuous Improvement) is introduced into the accounting process. This concept demonstrates the potential to value and evaluate “good money flow” in management. Specifically, the order of account titles in the accounting process from invested capital to recovered capital is mapped as “money flow” on the financial statements. Subsequently, in contrast to the use of productivity as an indicator in Gemba, “recovery efficiency of invested capital” is considered instead as an indicator of good money flow of management.
著者
柊 紫乃 上總 康行
出版者
日本原価計算研究学会
雑誌
原価計算研究 (ISSN:13496530)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.72-86, 2016 (Released:2017-04-17)
被引用文献数
4

生産現場の改善効果は,経済成長期であるか停滞期・減退期であるかにより,現れ方が異なり,必ずしも原価低減額として把握できない。本稿では,いかなる経済環境の下でも,改善効果をより十全に貨幣的に測定するために,機会損失の概念を持ち込み,独自の改善ステップにより,改善効果を見える化できる計算事例を提示する。