著者
濱田 志穂 柳下 正治
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.170-181, 2011 (Released:2011-11-04)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1 1

筆者らは,参加型会議手法を応用し,我が国におけるEST(持続可能な交通)論議の本格化を目指した「ESTステークホルダー会議」を実践してきた.ステークホルダーによる熟議を通じて,「ESTの観点から『交通と土地利用』についての政策形成上の論点・障壁を明確化する」ことをねらいとして実施した. 会議の結果,熟議を経て一定の結果をまとめることはできたが,ステークホルダーの主導(参加者イニシアティブ)によって論点を抽出し,一致点や不一致点等の意見構造まで明確化できたかどうかについては,十分な参加者評価を得るに至らなかった.しかしながら実践を通じ,科学的知識の共有に基づくステークホルダー間の熟議に関して,貴重な実証データと具体的課題を抽出することができた.
著者
柳下 正治 石川 雅紀 廣瀬 幸雄 杉浦 淳吉 西村 一彦 涌田 幸宏 岡山 朋子 水野 洋子 前田 洋枝 松野 正太郎
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.49-58, 2004
被引用文献数
1 1

本稿では, 科学技術振興機構の社会技術研究プログラム「循環型社会」において採択された「市民参加による循環型社会の創生に関する研究 (2002~05年) 」として2002~03年度に実施した「ステークホルダー会議」を報告し, その結果の評価を試みる. 本研究では, 市民参加プロセスとして参加型会議「ハイブリッド型会議」を採用した. ハイブリッド型会議はステークホルダー会議と市民パネル会議から構成される. ステークホルダー会議では, 名古屋のごみ減量化取組に係わった多くのセクターの代表者の参加の下, 目指すべき循環型社会を考えるための多様な論点を検討し, それを評価軸に用いて名古屋のごみ減量化取組の評価を行うとともに, 更に名古屋が目指すべき循環型社会を具体的に検討するための要件を抽出した.