著者
柳澤 佳恵 澤江 幸則 齊藤 まゆみ
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第67回(2016) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.335_1, 2016 (Released:2017-02-24)

在宅の知的障害者の多くは、日中活動の場として通所施設を利用している。約7割の事業所は、健康増進活動として何らかの運動やスポーツを実施していたが、その活動目的は、体力増進や健康保持が中心であった。一方で、休日の余暇の実態を見ると、テレビやビデオを見て過ごす時間が多く、事業所内で経験した活動が日常生活で生かされているとはいえない。事業所での健康増進活動が、普段の生活の中で継続していけるよう予め利用できる社会資源を活用していないこと、体力増進や健康保持が中心で、楽しみや今後の生活の広がりにまで目を向けて実施されていない可能性がある。事業所で実施する運動やスポーツは、リハビリテーションや運動量を確保することだけを目的とするのではなく、利用者が楽しみながら意欲的にかつ継続して活動できるように支援することが大切だといわれている。そこで本研究は、通所施設での健康増進活動の在り方を考察することを目的に、どのような活動、支援体制及び社会システム等が必要なのかを、実際に活動に携わっている施設職員、家族、当事者及びその関係者から、インタビュー調査を実施したので報告することにした。