著者
堀内 久弥 柳瀬 肇 谷 達雄 桜井 純一 加藤 欽一郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.206-212, 1972-05-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
14

国内産米の過剰対策の一つとして米の輸出がとり上げられ,東南アジア諸国民の嗜好に適合させるために,国内産玄米を原料として精麦工場でパーボイル加工することを試み,独自の製造法を設定した。工程の中心は容量1トンの精麦用圧扁機の予熱塔を利用する蒸熱段階で,続いて同型の予熱塔に下から圧搾空気を吹上げるように改修して,水分20%までの初期乾燥が効率よく遂行できた。仕上乾燥には効率のよい乾燥機の導入が必要であるが,とう精は一般の精麦用研削式とう精機と研磨・除糠用に噴風式精米機を加えれば充分である。パーボイル加工により粒質が硬化し,日本米の粒質をインド型米に近づけうることを,炊飯特性,アミログラフィーなどの品質測定から確認した。またパーボイルドライスに混在する心白状粒の生成が未熟粒に基くことを明らかにした。