著者
北村 俊明 中田 登志之 柴山 潔 富田 眞治 萩原 宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.445-453, 1986-04-15
被引用文献数
1

算術論理演算装置(ALU)-レジスタ・レベルでの並列処理機能を有するマイクロプログラム制御計算機 QA-2を開発した.QA-2 は 旧型機 QA-1 における各種の応用実験を通じて行った性能評価に基づいて そのハードウェア構成方式を改良したシステムである. QA-2 は そのマイクロプログラムを書き換えることによって 図形処理や信号処理などのリアルタイム処理 および高級言語処理に対する効率の良いシステムを提供できる. QA-2 では 256ビット長の水平型マイクロ命令の相異なるフィールドによって 4個の可変長 ALU演算 4個の主記憶アドレスヘのアクセス 1個の高機能順序制御を同時に指定できる低レベル並列処理方式が採用されており マイクロプログラム制御方式の柔軟性を生かして 多様な応用に対処できるようになっている.また 処理速度や適応能力のほかにマイクロプログラムの生産性を上げることをも考慮して マイクロ・アーキテクチャを一様に構成している.本論文では QA-2 システムの設計思想を明らかにし その最大の特徴である低レベル並列処理機構の実現方式について述べる.また 実際に QA-2 を応用した結果を示し 低レベル並列処理方式の有効性について評価を加える.
著者
柴山 潔 平田 博章
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1999

本研究では,・従来のプロセッサから見たコンピュータ間通信性能がローカルメモリへのアクセス性能とほぼ同等になる(メモリアクセス性能と通信性能が拮抗する);・ネットワークのトポロジやその中での情報処理主体の地理的位置に広域的な通信性能が影響されない;の2つの仮定のもとに,地球規模のコンピュータネットワークに超多数個散在する情報処理主体要素(これを本研究では,「プロセッサによる処理だけではなくメモリアクセスや通信までを含めた情報処理主体」という意味で「情報体」と呼ぶ)のハードウェア/ソフトウェア・トレードオフについて考察した.具体的には,次の2つの知見を研究成果として得た.(a)プロセッサから見たメモリアクセスと他のコンピュータ/プロセッサとの通信とを論理的に等価に扱い得る情報処理主体要素(情報体)の処理モデルの構築;(b)共有メモリによる通信とメッセージ交換による通信との物理的な区別が無くなることに伴う情報体のアーキテクチャ(ハードウェア/ソフトウェア・トレードオフ)の設計;