著者
柴山 雅俊
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.1293-1300, 2006-12-15

抄録 夢と現実の区別困難について解離性障害の患者53名と対照群57名を対象に調査した。解離性障害にみられる夢と現実の区別困難を,①現実が夢のようである,②夢が現実のようである,③過去の記憶が事実なのか夢なのか判断しがたい,の3つに分類し,それぞれについて精神病理学的観点から論じた。解離性障害では今・ココを起点とするパースペクティヴperspectiveの成立不全が示唆される。それはまたパースペクティヴの起点・要になる私の成立不全をも意味している。同一性の拡散した私は,並立化し等質化した世界の知覚対象や記憶表象,空想表象,夢の表象との1対1の無媒介的・直接的関係を通して深く没入し,没入した世界によってあらためて私が構成されることになる。このような,知覚-表象や現実-夢などの並列化に加え,パースペクティヴの両極構造とそこにおける循環的関係は,解離性症候の基底に存在する病態構造の一つと考えられる。
著者
浜垣 誠司 柴山 雅俊 石原 次郎 鈴木 健司 大島 丈志
出版者
文教大学
雑誌
言語と文化 = Language and Culture (ISSN:09147977)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.126-89, 2022-03-16

This report is a record of a symposium aimed at analyzing the imagination of Kenji Miyazawa’s work from a psychiatric perspective. Some of Miyazawa’s works are highly recordable and are interpreted as reflecting his realistic situation. This report takes the poem “Shukan”, and analyzes it from the perspective of “dissociation”, showing that it can be interpreted as “imaginary companion”.
著者
柴山雅俊
雑誌
精神科治療学
巻号頁・発行日
vol.27, pp.611-616, 2012
被引用文献数
1