著者
柴崎 雛子 大木 雄太 國部 雅大
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第70回(2019) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.125_2, 2019 (Released:2019-12-20)

ラクロスの大きな特徴はクロスを用いてボールを扱うことにある。本研究では捕球技能に着目し、クロスを用いた捕球の特徴と競技レベルによる違いを検討することを目的とした。女子ラクロス選手13名(上位群6名、下位群7名)が、20m前方から投げられたボールをクロスおよび野球グローブを用いて捕球する課題を各条件10試行行った。捕球率・歩数・捕球地点までの動き方・頭頂部を基準とした捕球位置の高さなどの観点から分析した。その結果、捕球率はクロス条件で上位群88%・下位群70%、グローブ条件で上位群80%・下位群51%となり、下位群はグローブ条件で捕球率が下がる傾向にあった。更にクロス条件・グローブ条件いずれでも下位群の歩数は上位群より有意に多く、捕球位置までの動き方をみると1歩目を落下地点と逆方向に踏み出す傾向がみられた。頭頂部を基準とした捕球位置の高さは下位群が上位群に比べて有意に高く、頭上で捕球する傾向があることが分かった。以上のことから、下位群は上位群に比べ落下地点への到達に多くの歩数を要しており、ボールの軌道・落下地点の予測能力が低いことが示唆された。