著者
柿本 和俊
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.1143-1156, 1987-10-01
被引用文献数
9 4

レーザ溶接はろう着に比べ作業時間が非常に短い接合方法である. さらに, 共金溶接ができることや作業者によるばらつきが少ないことなどの利点を持っている. したがって, 歯科補綴物の接合方法としてレーザ溶接は有効であるといえる. 歯科でのレーザ溶接に関する研究はこれまでにもいくつか発表されている. これらの研究ではレーザ溶接した歯科補綴物が優れた機械的性質や精度を示したと述べるにとどまり, レーザ溶接条件や溶接部の機械的性質に影響を与える因子については不明な点が多い. そこで, これらの点に関し系統的な実験を行った. 本報ではレーザ照射条件と試料表面状態が溶込み深さと溶融径に及ぼす影響について検討した.
著者
吉川 一志 谷本 啓彰 岡崎 定司 柿本 和俊 淺井 崇嗣 橋本 典也 木下 智 池尾 隆 今井 久夫 小正 裕
出版者
THE ACADEMY OF CLINICAL DENTISTRY
雑誌
日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 (ISSN:13468111)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.426-431, 2005

スポーツを行う際, 選手同士が激突したり, 器具や用具による負傷が起こることがある.それらの不測の事故による歯, 顎骨など口腔内の外傷を防ぐためにマウスガードの装着が提唱されているが, 野球など選手間の連携のために発声するスポーツにおいては.マウスガードの装着により発声が困難になることに対する危険も危惧される.<BR>今回われわれは, (財) 日本高等学校野球連盟の協力を得て, 第21回AAA世界野球選手権大会に参加した日本選抜チームの選手に対してマウスガードを作製し, その装着感, 機能性, 不具合についてアンケート調査により検討したので報告する.第21回AAA世界野球選手権大会に臨む高校球児18名に対して, 印象採得後, ジャスタッチ (ハイブラークラレメディカル社製) を用いて, マウスガードを作製し, マウスガードを装着した状態で, 練習, 試合を行い, 使用後, 装着感, 発声, 機能性, 不具合について支障がないかアンケート調査を行った.以前マウスガードをつけたことがあるかとの質問に対して, 78%の選手が使用したことがないと回答した.マウスガード使用時の問題点については会話しにくいとの回答が21%を占め, つばがよく出るが8%, 違和感があるが4%となった.しかし野球をプレイ中に口腔内の外傷から歯を守るためにマウスガードは必要かという質問に対しては, 78%の選手が必要であると回答し, また今後も積極的にマウスガードを使用したいと思いますかとの質問に対しては, 67%の選手が使用したいと回答した.今回のアンケートの結果から, 選手もマウスガードに対して高い関心を持っており, 外傷を防ぐなどの目的で積極的にマウスガードを使用する必要があると感じていることが明らかになった.
著者
森口 愛 小正 裕 柿本 和俊 権田 悦通
出版者
Japan Prosthodontic Society
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.857-866, 1999-10-10
被引用文献数
11

It was attempted to coat the refractory models by zirconia to improve a reactive layer of the pure titanium denture base cast using phosphate-bonded investment and to compare with a usual investing method.<BR>When the coating refractory models were used, the small residual investment on the casting plate removing from the mold was observed.<BR>The surface hardness of the castings prepared with TAIVEST was hardly different between the two samples. However, the surface hardness of the castings prepared with T-INVEST C & B was slightly greater control samples on the casting surface to a depth of about 30μm, but there was little difference between the samples for the depth.<BR>In the coating samples, the microstructure of the surface of the castings showed almost no evident chill layer. The control samples had a chill layer and a columnar crystal layer extending from the surface toward the interior.<BR>Use of the electron probe microanalyzer (EPMA) to determine distribution of various elements in the superficial layer of casting plates showed the reactive layer contained Si and P in control samples. In coating samples, it showed a small reactive layer contained impure elements though there was a high density of Zr of the surface layer of the castings.<BR>The results are suggested that it is possible to improve a reactive layer of the surface of pure titanium denture base cast using phosphate-bonded investment by coating of the surface of the refractory models.