著者
栗原 慎二
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.243-253, 2006-06-30
被引用文献数
1

本研究は,摂食障害で不登校に陥った女子高校生に対して教員が支援チームを作って関わり,無事卒業していった事例を通じて,学校教育相談における教員によるカウンセリングやチーム支援のあり方について検討することを目的とした。本事例の検討を通じてチーム支援の有効性が確認されるとともに,以下の点が示唆された。(1)学校や教員の特性を生かしたチーム支援の有効性と可能性(2)学校カウンセリング独自の目標設定と方法選択の重要性(3)コアチームのメンバー構成の重要性,(4)学校における秘密保持のガイドライン作成の必要性。
著者
松山 康成 真田 穣人 栗原 慎二
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.1-9, 2021-03-30 (Released:2021-05-01)
参考文献数
32
被引用文献数
8

本研究の目的は,小学生高学年を対象とした友人同士の対立場面における介入行動意図尺度を作成し,その信頼性と妥当性を検討することであった。小学5, 6年生の202名(男子児童93名,女子児童109名)を対象に,介入行動意図,向社会的行動,向社会的目標,自己指向的反応,被影響性に関する尺度を含む質問紙調査を実施した。探索的因子分析と確認的因子分析の結果,介入行動意図尺度は援助意図,傍観意図,非介入意図,介入意図の4因子21項目から構成された。介入行動意図尺度は一定のα係数と再検査信頼性係数を示し,十分な内的一貫性が認められた。また,同時に測定した外的基準との関連を示したことから,一定の信頼性と妥当性を有すると考えられた。尺度得点については,学年差が認められ,援助意図は小学5年生の得点が小学6年生の得点よりも高く,傍観意図と非介入意図は小学6年生の得点が小学5年生の得点よりも高いことが確認された。また傍観意図において性差が認められ,男子よりも女子の方が高いことが確認された。最後に本尺度の利用可能性について考察されるとともに,今後の介入行動研究に関して議論された。
著者
栗原 慎二
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.243-253, 2006

本研究は, 摂食障害で不登校に陥った女子高校生に対して教員が支援チームを作って関わり, 無事卒業していった事例を通じて, 学校教育相談における教員によるカウンセリングやチーム支援のあり方について検討することを目的とした。本事例の検討を通じてチーム支援の有効性が確認されるとともに, 以下の点が示唆された。(1) 学校や教員の特性を生かしたチーム支援の有効性と可能性,(2) 学校カウンセリング独自の目標設定と方法選択の重要性,(3) コアチームのメンバー構成の重要性,(4) 学校における秘密保持のガイドライン作成の必要性。