著者
犬飼 岳史 合井 久美子 根本 篤 高橋 和也 赤羽 弘資 廣瀬 衣子 杉田 完爾 中澤 眞平
出版者
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液学会雑誌 (ISSN:09138706)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.548-553, 2004-10-31 (Released:2011-03-09)
参考文献数
16

帯状疱疹から無菌性髄膜炎に進展した同種骨髄移植後の骨髄異形成症候群児と, 帯状疱疹の発症から隔離までに3日間を要した化学療法中のWilms腫瘍児から, 既感染やワクチン接種例2名を含む免疫抑制状態にある4名に水痘の院内感染を経験した.院内感染予防として40mg/kg/dayのアシクロビル (ACV) 予防内服を, 免疫抑制状態にない未罹患の6名に接触7日目から7日間行ったが, 1名が水痘を発症した.一方, 免疫抑制状態にある21名 (うち未罹患7名) と免疫抑制状態にない未罹患9名ののべ30名に接触直後から21日間のACV予防内服を行ったところ, 水痘の発症は認められず, ACVによる副作用も認められなかったことから, ACV長期投与は安全で有効な院内感染予防法であることが示唆される.帯状疱疹に対する曝露では, 患者隔離のみならず, 免疫抑制状態にあるワクチン接種・既感染症例に対してもACV内服による積極的な予防対策を行う必要がある.
著者
根本 篤司
出版者
公益財団法人 損害保険事業総合研究所
雑誌
損害保険研究 (ISSN:02876337)
巻号頁・発行日
vol.80, no.2, pp.65-88, 2018-08-25 (Released:2020-05-18)
参考文献数
27

今般の募集規制改革では,保険販売チャネルの多様化とともに保険取引の情報の非対称性の問題が意識されている。本稿は,保険募集で扱われる情報の内容および情報収集コストの観点に立って,保険販売チャネルの現状と課題の分析を行う。具体的には,情報コストの負担抑制を目的とした直営方式の代理店チャネルの増加は,かえって保険募集の効率性を阻害する可能性を考察する。結論として,保険販売チャネルの垂直的統合を促すインセンティブを付与し,損害保険会社間の競争を活発化させること,販売手数料をめぐる代理店側の価格交渉力を強化すること,販売チャネルの製販分離の実現を目指すことが,複数チャネルの情報問題の解消に有効であることを指摘する。