著者
犬飼 岳史 合井 久美子 根本 篤 高橋 和也 赤羽 弘資 廣瀬 衣子 杉田 完爾 中澤 眞平
出版者
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液学会雑誌 (ISSN:09138706)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.548-553, 2004-10-31 (Released:2011-03-09)
参考文献数
16

帯状疱疹から無菌性髄膜炎に進展した同種骨髄移植後の骨髄異形成症候群児と, 帯状疱疹の発症から隔離までに3日間を要した化学療法中のWilms腫瘍児から, 既感染やワクチン接種例2名を含む免疫抑制状態にある4名に水痘の院内感染を経験した.院内感染予防として40mg/kg/dayのアシクロビル (ACV) 予防内服を, 免疫抑制状態にない未罹患の6名に接触7日目から7日間行ったが, 1名が水痘を発症した.一方, 免疫抑制状態にある21名 (うち未罹患7名) と免疫抑制状態にない未罹患9名ののべ30名に接触直後から21日間のACV予防内服を行ったところ, 水痘の発症は認められず, ACVによる副作用も認められなかったことから, ACV長期投与は安全で有効な院内感染予防法であることが示唆される.帯状疱疹に対する曝露では, 患者隔離のみならず, 免疫抑制状態にあるワクチン接種・既感染症例に対してもACV内服による積極的な予防対策を行う必要がある.
著者
南 武志 河野 摩耶 古川 登 高橋 和也 武内 章記 今津 節生
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.237-243, 2013-12-31 (Released:2017-02-24)

Vermilion was collected from powerful people's mounds of places of Japan Sea coast depending on the period from the decline of the Yayoi to Kofun and was measured sulfur isotope ratio (δ34S value), and compared the value obtained from cinnabar ores of three Japanese mines, Niu, Yamato-suigin, and Sui, and two Chinese mines, Wanshan and Xunyang, which were selected from old records. The vermilion of the late Yayoi period, the 1st to 2nd century A.D., was from China, and the vermilion of the early Kofun period, from the late 3rd century A.D., was from Japan. During the late Yayoi and early Kofun periods, the 3rd century A.D., the vermilion showed the middle of the shift of Japanese cinnabar. It is concluded that the measurement of sulfur isotope of vermilion is an effective method for the determination of original sources of vermilion.
著者
高橋 和也 村上 雄哉 渡邊 恵太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2023論文集
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.247-252, 2023-08-23

Figma やAdobe XD といったツールは画面上のインタラクティブなプロトタイピングに優れているが,IoT のようなハードウェアと画面が連携した体験はプロトタイピングできない.本研究では,画面設計が容易なFigma をM5StickC と連携させる拡張手法を提案する.これにより,例えば加速度センサの数値に応じてFigma の画面を遷移させる,Figma 上のボタンを押してLED を点灯させるといったことができる.提案手法を用いて,IoT 製品のプロトタイプ作成をテーマとしたワークショップを実施した.
著者
高橋 和也 南出 靖彦
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.2_53-2_70, 2021-04-23 (Released:2021-06-23)

文字列の検索等に広く用いられる正規表現マッチングはその多くがバックトラックに基づくアルゴリズムで実装されており,対象文字列の長さに対して線形時間でマッチングを完了できない場合がある.これを事前に検知するために,マッチングに要する計算量を静的解析する手法が複数の先行研究によって提案されている.本研究では先行研究を拡張し,先読みや後方参照など,現実のソフトウェアで使用されている拡張された正規表現に対しても解析が行える手法を提案する.さらに,既存の解析アルゴリズムを高速化し,より実用的な速度で解析を行える手法を提案する.そして,これらの改良を施した計算量解析のツールをScalaで実装し,Weidemanらによる既存のツールよりも多くの正規表現が解析できることを実験により確認した.
著者
南 武志 武内 章記 高橋 和也 今津 節生 徳田 誠志 寺沢 薫 河野 一隆 島崎 英彦 豊 遙秋 河野 摩耶
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

弥生時代後半から古墳時代に重点を置き、墳墓より出土した朱の産地推定を硫黄・鉛・水銀同位体分析から行った。その結果、北部九州では古墳時代に入っても中国産朱と思われる朱が一部の墳墓に用いられていたが、それ以外の地域では古墳時代に入る前から国内産の朱が墳墓に使用されていた可能性が高く、古墳時代前期には東北地方まで畿内産の朱がもたらされたと考えられる。以上より、朱の同位体分析により古墳時代黎明期の権力推移が考察され、考古学分野に一石を投じることができたと考える。
著者
崔 成日 高橋 和也 堤 正臣 佐藤 隆太
出版者
精密工学会
雑誌
精密工学会誌 = Journal of the Japan Society of Precision Engineering (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.73, no.9, pp.1040-1045, 2007-09-05
参考文献数
10
被引用文献数
3 2

This paper describes the measuring methods for positioning accuracy of tilting axes in five-axis controlled machining centers with a tilting rotary table. The top surface of the tilting rotary table is generally in higher position than the tilting axis. In this case, there is no measuring method except for a manually operated clinometer. Thus, a clinometer consisting of a precision rotary encoder and a bubble level was firstly developed. In the method, operators have to read visually the scale of the level and the reading accuracy is dependent on their ability. Instead of the bubble level, an electronic level with high resolution was employed for comparison. A ball bar equipment was also applied to measure the angular positioning accuracy of the tilting rotary table, as the ball bar equipment can measure the angular displacement continuously.
著者
岩滝 光儀 高橋 和也 鈴木 敏之
出版者
東京大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-10-07

東南アジア沿岸域では小型渦鞭毛藻による有害赤潮と漁業被害が頻発し,この対策が喫緊の課題となっている。本研究ではこれまで調査対象外となっていた小型種を選択的に検出することで,近年有害赤潮を形成するようになったカレニア科,そして出現情報が全くないアンフィドマ科渦鞭毛藻を対象に,種組成,毒組成,個体群分布を明らかにする。東南アジアにおける有害藻類研究者の連携体制を強化しながら,潜在する小型有害渦鞭毛藻の種組成と強毒個体群の分布海域を把握することで,被害対策に資する学術基盤を構築する。
著者
横川 正美 山田 正仁 菅野 圭子 柚木 颯偲 堂本 千晶 吉田 光宏 浜口 毅 高橋 和也 岩佐 和夫 駒井 清暢
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.E3P3233, 2009

【目的】認知症予防のための方法は種々報告されており、運動に関しては有酸素運動が効果的であるとされているが一定の見解には至っていない.本研究では地域住民を対象に有酸素運動を主体とした運動機能プログラムを実施し、その効果について同時期に行われた認知機能プログラムと比較検討した.<BR><BR>【方法】前年度に地域で実施された脳健診の受診者から、脳老化関連疾患の疑われる者および介入法参加に支障をきたすような身体疾患のある者を除き、臨床的認知症尺度(Clinical Dementia Rating; CDR)が0または0.5にあたる健常者または軽度認知障害者379名に本研究への参加を募った.参加への同意の得られた36名のうち、介入前後の評価を実施できた29名を本研究の対象とした.介入法はプログラムを2つ設け、参加者を無作為に振り分けた.一つは認知機能プログラム(n=12)で、認知症の前段階で低下しやすいと考えられている実行機能を重点的に高める内容として、A.ゲームやパズル、B.地域の地図作り、C.自助具技術の習得を行った.もう一つは有酸素運動を主体とした運動機能プログラム(n=17)で、A.体調確認、B.テレビ体操(ウォーミングアップ)、C.ウォーキング、D.柔軟体操(クールダウン)を行った.2つのプログラムはどちらも週1回約1時間で合計14回、4ヶ月間にわたって実施した.認知機能プログラムはAからCをそれぞれ4回程度ずつ費やして行い、運動機能プログラムはAからDを毎回行った.対象者には介入前後に認知機能検査としてファイブ・コグを施行した.<BR><BR>【結果】参加者の平均年齢は72.2±7.1歳、平均教育年数は10.4±2.3年であった.2つのプログラムの間で対象者の年齢、教育歴による差はみられなかった.参加者の年齢層や日常的な活動の幅を考慮して、運動プログラムでのウォーキングは10分より開始し、6回目より15分に延長した.実施期間中に体調不良を訴えた者はなかった.介入前後の認知機能検査において、認知機能プログラムでは「手がかり再生課題」が12.6±5.6点から17.0±5.7点へ、「動物名想起課題(言語流暢性課題)」が12.8±4.0点から16.4±2.9点へとそれぞれ有意に改善した(いずれもp<0.01).運動機能プログラムでは「手がかり再生課題」のみ、11.5±5.3点から16.2±5.3点へと有意に改善した(p<0.01).<BR><BR>【考察】認知機能検査において、両プログラムで「手がかり再生課題」が改善し、記憶機能の改善が示唆された.アルツハイマー病では初期に記憶機能が低下するとされている.記憶機能の改善が示唆された今回のプログラムはどちらも予防プログラムとして効果的であることが考えられた.その一方で運動機能プログラムでは認知機能プログラムで示された言語流暢性課題の改善は得られなかった.今後は運動内容の再考や、さらに対象者が今回のプログラムで獲得した体力を維持し、長期的に認知症予防に取り組めるような支援方法の検討が必要と考える.
著者
巽 博臣 信岡 隆幸 川崎 喜恵子 竹中 ユキ江 佐藤 香織 高橋 和也 菊池 敦子 角谷 真由美 井山 諭 平田 公一
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.1119-1123, 2013 (Released:2013-10-25)
参考文献数
5

【目的】スタッフの臨床栄養に関する知識の把握を目的に調査を行った。【対象および方法】2011年4月と11月にアンケート調査を行った。1回目の結果を公表し、2回目の調査までに栄養療法の基礎的な内容のNSTセミナーを行った。【結果】基本項目の正答率 (1回目) は3大栄養素の熱量は52%、6大栄養素の成分は20%、微量元素製剤に含まれる微量元素は11%、急性期の栄養指標は5%であった。略語の意味の正答率はIVH、BMI、NSTについては約5割にとどまり、半数以上の略語が20%以下であった。高カロリー輸液製剤に含まれる栄養成分を理解している医師は50%以下で、経腸栄養剤の特徴は一部を除き10%以下の正答率であった。1回目に比べ2回目にはアンケート回答数が増加し、多くの項目で正答率の上昇傾向がみられた (有意差なし)。【結論】スタッフの栄養に関する基本知識の理解度は低かった。NSTセミナーで臨床栄養の重要性を啓蒙することで、栄養に対する興味や知識の理解度は向上すると考えられた。
著者
高橋 和也 本田 敦 野澤 剛二郎 土肥 哲也 小川 隆申
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.167-172, 2015 (Released:2015-05-20)
参考文献数
8
被引用文献数
3

列車速度500km/h領域の超高速鉄道のトンネルでは,微気圧波の低減対策として坑口にトンネルより大きな断面積を持つ角型の緩衝工が設置されている.緩衝工をトンネル断面と同じ円型にすると,建設コスト低減などの利点がある一方で,緩衝工の効果が減少したり,突入時の空気振動が発生する恐れがある.本報告では,超高速鉄道における微気圧波の低減効果を確保し,かつ空気振動を十分なレベル以下とする円型緩衝工の可能性を検証することを目的とする.そのために,1) 緩衝工の断面形状をパラメータとした1/31スケールの模型試験と,2) 山梨実験線に設置した円型緩衝工の現地計測を行い,これらの結果より円型化による微気圧波ならびに空気振動への影響を確認することで,その有効性を明らかにした.
著者
高橋 和也
出版者
一橋大学大学院法学研究科
雑誌
一橋法学 (ISSN:13470388)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.321-403, 2018-11-10

The German federal constitutional court says in its "communal decision law ruling (1979)" that it uses three measures for judging the validity of the legislature's prediction. But this theory, which is called a "three-step theory", has two obscure points. The first is how to divide these three measures' occasion of use. The second is how to interpret constitution in this theory. This article proposes to promote an understanding these two points. Part II analyses the contents of the "communal decision law ruling". What was fought in this ruling was the constitutionality of the law, which violates human rights moderately. The judge used mild measures in this ruling. Part III analyses two rulings quoted by the "communal decision law ruling". What was fought in the "pharmacist law ruling(1958)" was the constitutionality of the law, which violates human rights seriously. The judge used strict measures in this ruling. In the "basic treaty ruling(1973)", the constitutionality of the treaty, which did not violate human rights, was fought. In this ruling, extremely mild measures were used. Part IV analyses where these three rulings cross. These measures are used on the basis of the seriousness of the human rights violation("principle of proportionality"). The reason for this is that the court regards the function as "protection of human rights". So, behind this "three-step theory" is the way to interpret constitution, which attaches importance to the function of national facilities.
著者
五十嵐 誠 望月 優子 高橋 和也 中井 陽一 本山 秀明 馬場 彩 望月 優子 高橋 和也 中井 陽一 本山 秀明
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

研究成果の概要:南極ドームふじ基地において掘削された氷床コアおよそ100m分についてイオン濃度分析を実施し、硝酸イオン濃度プロファイル中の十数箇所に超新星爆発起源と思われる高濃度スパイクを検出した。本研究ではこれらの発現年代を正確に推定するため、ドームふじ氷床コアの硫酸イオン濃度測定結果と大規模火山噴火年代との関連性を考慮して、誤差1年以内の氷の堆積年代(深度と年代の関係)を求めた。