著者
野村 真治 桂 春作 久我 貴之 河野 和明 加藤 智栄
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.570-574, 2003-03-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
15
被引用文献数
3 1

2000年2月から2002年3月までに7例の上肢急性動脈閉塞症を経験した.年齢は61歳から91歳で平均77.3歳.男性4例,女性3例であった.全例に不整脈を認め,うち6例は心房細動で, 1例は洞不全症候群であった.症状は冷感6例,知覚異常1例,疼痛3例,脱力感2例であった.閉塞部位は鎖骨下動脈2例,腋窩動脈1例,上腕動脈2例,橈骨動脈2例で,右4例,左3例であった.全例にまず血栓溶解療法を施行し, 4例で改善を得た.他の3例で,経皮的血管形成術, Fogartyバルーンカテーテルによる血栓除去術,バイパス術をそれぞれ1例ずつ追加した.全例手指の機能障害なく改善した.本疾患への治療の第一選択として血栓除去術が頻用されているが,当科ではまず血栓溶解療法を施行し, 7例中4例で有効であり,第一選択の治療法となりうると考えた.
著者
井上 隆 谷口 聡 桂 春作 榎 忠彦 野島 真治 濱野 公一
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.667-670, 2003
参考文献数
5
被引用文献数
1

症例は5歳8ヵ月の女児.4歳4ヵ月時に強アルカリ(オルトケイ酸ナトリウム溶液)を誤飲した.その後,合併した食道狭窄に対して4歳6ヵ月時よりバルーン拡張術を合計20回施行したが拡張の継続は得られず,根治術として開腹で食道亜全摘術を施行した.食道再建は非開胸下に大彎側胃管を後縦隔経路で吊り上げ,頚部で食道胃管吻合を施行した.術後はまだ1年3ヵ月と短期間ではあるが,大きな合併症もなく一般生活も支障なく送れており,経過は良好である.