著者
鈴木 信弘 岡村 敦 桐本 哲郎 峠 誠 小牧 昌彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.98, no.7, pp.27-32, 1998-04-20
被引用文献数
1

フリーフロー方式のETC(Electronic Toll Collection system)では, 無線機を搭載した車輌と搭載していない車輌を区別するため, 車載無線機の位置を測位する必要がある.測位方式として, 路上中央にそれぞれ水平角と上下角を測角する2つのセンサを配置して, 車載無線機からの電波の到来方向を測定し, これらの測角値と車載無線機の地上高とを用いて測位する方法を提案する.この方式では, 無線機の搭載位置を仮定するため, 測位誤差が生じる.本報告では, 車載無線機の高さ誤差に加え測角誤差に対する測位誤差の感度解析を行う.また, 電波実験により, アレーアンテナを用いた測角センサの素子数と測角精度の関係を評価するとともに, 上記考察結果の検証と, 測位精度の評価を行う.
著者
三本 雅 上原 直久 稲常 茂穂 藤坂 貴彦 桐本 哲郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.2355-2363, 1999-12-25
参考文献数
8
被引用文献数
13

同相信号だけを検波するFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーダは小型・廉価化が容易であるが,一方,目標の距離と速度の計測時にアンビギュイティが発生する.本論文では,同相信号だけを用いて目標距離と目標速度を一意に計測するFMCWレーダ方式を提案した.送信信号には,従来のFMCWレーダで用いられるアップチャープ信号とダウンチャープ信号に加えて無変調CW信号を用いる.受信信号処理では,無変調CW信号の反射エコーに含まれる目標ドップラー周波数の絶対値を利用して,目標の距離と速度を求める.また,本方式ではこのドップラー周波数の絶対値を利用して,複数目標の距離と速度を同時に計測できることを示した.最後に,等速度で移動する車両を目標として,実レーダを用いた距離・速度計測試験を行った.その結果,検出確率0.91,距離精度0.53m,速度精度1.2km/hで,偽目標発生確率0.0028の性能が得られ,本方式の有効性を明らかにした.