著者
江尻 全機 藤井 良一 桜井 治男 飯島 健 福島 直
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.74, pp.1-9, 1982-02

地球磁場の精密な測定を目的としたMAGSAT衛星が, 米国宇宙航空局によって1979年10月30日に, 低高度・準極軌道に打ち上げられた.これまでのPOGOやTRIADやISIS衛星の磁場測定と較べ, 測定精度および時間分解能が良いこと, データが連続的で衛星軌道が常に朝-夕方子午面内にあるという特徴を活用し, 初期データ(1979年11月2日∿4日)を用いて特に高緯度地方の沿磁力線電流(以下FACという)の特徴を調べた.これまでの結果に加え, (1) FACの緯度方向の幅が, 今までの結果より拡がっていることが判明した.特に高緯度側の領域Iの緯度方向の拡がりが約2°∿3°位であるのに対し, 低緯度側の領域IIは約5°位拡がっている.(2)朝側および夕方側で連続して観測されたFACは, 非対称性を持っており, さらに南北両半球でも非対称であることが判明した.