著者
久保田 和歩 真弓 夏生 桜木 惣吉
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学研究報告. 教育科学編 (ISSN:18845142)
巻号頁・発行日
no.69, pp.59-64, 2020-03-01

養護教諭にとって,ストレスによる心身の不調などメンタルヘルスに関する課題等への対応は,重要な任務の一つである。そこで,ストレスへの理解を深めるため,女子大学生を被験者としてストレス度と生活習慣や生育環境・生来の性格との関連をロジスティック回帰分析により分析した。その結果,「趣味に費やす時間が十分でない」「アルバイトの現状に満足していない」「両親に叱られることが多かった」「両親に比較された」と感じている人ほどストレス度が高かった。また本人が多感であるほどストレス度が高く,心気症・精神衰弱・社会的内向性の傾向が高いほどストレス度が高かった。以上より,子供たちに好きなことをする時間を与え,子供たちをむやみに叱ったり,他の子供と比較したりせず,認めて自信をつけさせること等が,ストレスの軽減に有効であると考えられる。
著者
倉知 扶美 鳥山 夏美 深谷 実栗 松浦 加奈 桜木 惣吉
出版者
愛知教育大学保健環境センター
雑誌
Iris health : the bulletin of Center for Campus Health and Environment, Aichi University of Education (ISSN:13472801)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.33-39, 2014

本研究では,月経に伴う様々な苦痛の原因として重要な疾患である月経前症候群の,身体・精神症状や気分に対するフットマッサージの効果について,性格傾向との交互作用も併せて検討した。その結果,フットマッサージは自覚症状の軽減には必ずしも有効とは言えなかったが,怒り・敵意や混乱といった負の気分の軽減には有効と考えられた。また,非社会的な人には,不安の軽減効果が,不満をため込みやすい人には,泣きそうな気分やめまいの軽減効果が見られた一方,温厚で順応性がある人では,マッサージをしない方が泣きそうな気分の軽減効果が大きいなど,性格傾向によりマッサージの効果が異なることが示唆された。