著者
干場 秀雄 出田 大 梅津 一孝
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌 (ISSN:13421131)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.61-68, 1998-12-10
被引用文献数
2

本調査により搾乳ロボットの搾乳性能を向上させるためには、下記の要件が必要であることが明らかになった。(1)牛床と搾乳ストールの位置がより接近している。V牧場のように牛床に搾乳ストールを設置すると牛の移動距離が短く、牛の搾乳ストールへの流れがスムーズに行われ一搾乳ストールで平均7頭/時の搾乳能率が得られた。(2)搾乳ロボットで取付易い乳頭形状の牛を選定する。R牧場では乳頭形状が搾乳ロボットで取付易い牛を選定した結果、ロボット取付率96%を得た。(3)自発的に搾乳ストールへ近づく牛を選定する。理想的には初産牛を搾乳ストールへ入室するように馴らすと自発的行動牛が用意できるが、現実的にはフリーストール牛舎からの牛を用意することが女子ましい。(4)作業者が搾乳ストールへ近づかない、ポケベルで搾乳ストール内において異常が発生して呼ばれる場合を除いて搾乳ストールに近づかないようにし、極力搾乳作業を搾乳ロボットに任せる。(5)牛乳の集荷作業を搾乳ロボットの搾乳作業に影響のない時刻に行う、R牧場では朝搾乳作業終了後(午前11時)に集乳車が来ていたので、ロボット搾乳作業に支障が無かった。日本家畜管理学会誌、34(2) : 61-68、1998 1998年5月26日受付1998年7月2日受理
著者
梅津 一孝 高畑 英彦 干場 秀雄 竹山 一郎
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.177-184, 1989-11-30
被引用文献数
1

高能率家畜計量作業の技術的指針を明らかにすることを目的に,信号処理アルゴリズム,信号検出ハードウエァー並びに秤本体とクランク型ワーキングシュートの試作を試み,ホル雄子牛肥育牧場と公共育成牧場で実際の牛群を用い計量精度と作業能率の調査を行った。計量精度は,検定用標準分銅での調査の他に,静止体重については,実際の牛群を用い,従来の機械式計量器と供試計量器の精度比較並びに供試計量器の自動計量値(動態体重)と安定時再計量指示値(静止体重)の比較を行った。10頭の4反復調査では,各牛についての平均誤差,確率誤差の大きさはいずれも供試器静止体重<供試器動態体重<機械式静止体重の関係となり供試器は従来の機械式よりも計量値の変動は小さかった。作業能率は作業状況をビデオテープに録画し,再生解析した。計量器本体の性能向上により個体が計量台に脚を掛け計量が開始され演算を終了し計量値が表示されるまでの所要時間は平均4.23秒と正味計量時間が大幅に短縮された。またワーキングシュートの改良により牛の計量台への誘導が円滑に行われ,平均338kgfの牛群において毎時271頭の高い作業能率を得た。
著者
干場 秀雄 梅津 一孝
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌 (ISSN:13421131)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.47-52, 1999-11-10
被引用文献数
4

馬場牧場に設置された搾乳ロボットはオランダL社製の一搾乳ストール式であった。乳牛が連続して搾乳ストールに入室した時の平均搾乳能率は毎時9.5頭であった。しかし、一日24時間では総搾乳頭数は156頭で、それによる平均搾乳能率は毎時6.5頭で、その稼働率は72%であった。搾乳牛43頭の一日の搾乳回数は1回から6回迄あり、その平均搾乳回数は3.63回であった。その内、一日3回以上の多頻度搾乳牛は全体の93%を占めていた。乳牛の搾乳間隔は牛毎の期待乳量により規定されていたが、6回搾乳牛では平均4.0時間、5回搾乳牛では平均5.0時間、4回搾乳牛では平均6.3時間、3回搾乳牛では平均8.3時間であった。当場では今後さらに60頭に増し一日180頭の搾乳を目指している。日本家畜管理学会誌、35(2) : 47-52、1999 1999年9月受付1999年9月受理