著者
梶山 哲 戸髙 良祐 野村 心 梅野 和也
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.541-546, 2019 (Released:2019-08-28)
参考文献数
24

〔目的〕歩行自立・転倒カットオフ値リスト(脳卒中対象の他論文を参照)を,回復期リハ病棟の脳卒中患者に導入し,転倒予防効果を検討すること.〔対象と方法〕2016年度に当センターを退院した脳卒中患者123名を非導入群,2017年度に退院した脳卒中患者119名を導入群とした.導入前後でFIM,転倒発生率を比較した.また,理学療法士28名に対しアンケート調査を行った.〔結果〕転倒発生率,退院時合計FIMにて有意差を認めた(p<0.05).アンケートでは,「歩行自立度判断を行う際の多職種との協議において,パフォーマンステストや転倒リスク因子を参考に発言できているか」について導入後に有意に数値が高くなった(p<0.05).〔結語〕リストの使用は理学療法士の意識の変化に影響を与える可能性が示唆された.
著者
梅野 和也 中村 浩一 井元 淳 白澤 浩太郎 石田 猛流 加来 謙治 土井 康太
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.313-317, 2018 (Released:2018-04-27)
参考文献数
22
被引用文献数
2 1

〔目的〕3種類の運動イメージ評価法とmental practice(MP)でのパフォーマンスの変化との関係を検討することとした.〔対象と方法〕健常学生20名とした.MP前後における運動課題の成績比較からMPの有効性を検討し,Movement Imagery Questionnaire-Revised Japanese Version(JMIQ-R),メンタルクロノメトリー,メンタルローテーションの3種類の評価結果とMPの効果との関係を検討した.〔結果〕MP前後の運動課題に有意な改善が認められ,メンタルクロノメトリーとパフォーマンスの変化量との間に中程度の相関関係が認められた.〔結語〕メンタルクロノメトリーで測定した運動イメージ能力が,MPの効果と関わりがある可能性が示唆された.
著者
梅野 和也 河野 慶三
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.43-50, 2015-09-01 (Released:2015-09-15)
参考文献数
13

近年,運動イメージの研究は多数報告されている.しかし,運動イメージ能力と運動学習効果との関係を検討している研究は少ない.本研究では質問紙を用いた運動イメージの評価法であるMovement Imagery Questionnaire-Revised Japanese Version (JMIQ-R) を用いて運動イメージ能力を測定し,ダーツ課題による運動学習効果との関係を検討した.被験者は専門学校生30名であり,ダーツの経験なし,または一度のみ経験したことのある者を対象とした.ダーツ課題は,pre試行,自主練習,練習直後のpost試行①,翌日のpost試行②の順序で実施した.post試行とpre試行の差を変化量とし,全被験者のJMIQ-Rの得点の中央値で上位群と下位群にわけ,変化量の差を比較した.両群間には有意な差がみられ (p<0.05),上位群の方が運動学習効果が高かった.このことから,JMIQ-Rを用いて運動イメージ能力を評価することによって,運動学習効果を予測できる可能性があると考えた.