著者
山上 隆正 藤井 正美 西村 純 村上 浩之 平島 洋 奥平 清昭 梶原 正男 小玉 正弘
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.p901-920, 1977-09

トンプソン(地磁気緯度66.9゜N)でオーロラX線の気球観測を1975年4月8日UT,9日UTに行った.観測装置としては天頂方向を向いた全視野角70°のNaI(TI)カウンタ,天頂角17.5°に傾いた全視野角35゜のNaI(TI)カウンタ,および天頂方向で10°のtransmission hand幅をもったmodulation colhmator付きNaI(TI)カウンタを用いた X線のエネルギー範囲は15~85KeVである. カウンタをとりつけたゴンドラを3 rpmで回転させ,方位角をGAで測定した.ノマックグラウンドX線の10~10^4倍に達する活発なオーロラX線バーストを多数回観測した.特に4月9日UTの観測ではLTで真夜中頃,特長あるオーロラX線バーストの2 eventsが観測され,それらのeventsの詳しい解析が行われた.0532 UTに観測したeventでは直経20 kmのオーロラX線源が16秒間,2km s^<-1>の速さで北西から南東に移動した.もう一つのeventでは0613 UTから2分間にわたって真南の方向からのオーロラX線を観測した.この場合は,オーロラX線源として円板型とarc型の二通りのモデルを仮定してsimulation計算を行い,観測と比較しオーロラX線源の方向と大きさをきめた.資料番号: SA0124790000