著者
植村 益次 井山 向史 福永 久雄 生田 義光 守田 正弘
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.p821-863, 1979-11
被引用文献数
1

最近開発された高比強度・高比剛性のカーボン繊維を用い,フィラメント・ワィンディング法によって,軽量の強化プラスチック複合材料製ロケットモーターケースを研究開発した.これは,M-3H-3号機のキックモーターBとして用いられ,科学衛星EXOS-B(じきけん)をほぼ予定の長楕円軌道に投入するのに成功し,その機能を十分に果した.本文は,その開発過程における主として圧力容器としての力学的最適設計の理論解析および各種試験結果について述べる.資料番号: SA0125802000
著者
井川 日出男 IKAWA Hideo
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1_C, pp.663-687, 1980-03

スペース・シヤトルのデビューに依って,将来の科学,商業,並びに軍事分野にわたる宇宙利用の研究と応用に画期的な変化がもたらされるであろう.再使用可能な宇宙運航船は,従来の使い捨てブースターで運搬できなかった容積及び重量のペイロードを打ち上げることに依り,低コストの宇宙運営を行うことができる.スペース・シヤトルの重要な点は,有人・右翼のオービター機の開発にある.使命飛行中,オービター機は,垂直打ち上げブースター,宇宙衛星,及び極超音速滑空機として活躍する.特に航空操縦性能を発揮し,極超音達哉の役割りを果すオービター機として,過去に存在しなかった唯一の宇宙船である.従って,オービター機は,降下中,弾道軌道を離れる他の着陸点を選ぶことができ,飛行機の如く着陸する.オービター機の開発に当り,最低100回の再使用及び着陸後二週間以内に再飛行準備を整えることが,二つの必須条件である.オービター機は,大気圏突入の際と極超音速飛行中に生じる苛酷な空力加熱環境に再度曝れることになる.従って,前述の条件に添う為に,オービター機のアルミ構造は完全に再使用可能な表面防熱装置で被覆され,苛酷な熱環境から保護されている.この防熱装置開発の大躍進に依って,今後,経済的宇宙運営及び日常的な宇宙利用が可能とされる.
著者
平尾 邦雄 HIRAO K.
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1_B, pp.39-40, 1978-02

資料番号: SA0125581000
著者
北村 泰一 大道 寓男
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1_B, pp.204-209, 1971-03

資料番号: SA0125405000
著者
山上 隆正 藤井 正美 西村 純 村上 浩之 平島 洋 奥平 清昭 梶原 正男 小玉 正弘
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.p901-920, 1977-09

トンプソン(地磁気緯度66.9゜N)でオーロラX線の気球観測を1975年4月8日UT,9日UTに行った.観測装置としては天頂方向を向いた全視野角70°のNaI(TI)カウンタ,天頂角17.5°に傾いた全視野角35゜のNaI(TI)カウンタ,および天頂方向で10°のtransmission hand幅をもったmodulation colhmator付きNaI(TI)カウンタを用いた X線のエネルギー範囲は15~85KeVである. カウンタをとりつけたゴンドラを3 rpmで回転させ,方位角をGAで測定した.ノマックグラウンドX線の10~10^4倍に達する活発なオーロラX線バーストを多数回観測した.特に4月9日UTの観測ではLTで真夜中頃,特長あるオーロラX線バーストの2 eventsが観測され,それらのeventsの詳しい解析が行われた.0532 UTに観測したeventでは直経20 kmのオーロラX線源が16秒間,2km s^<-1>の速さで北西から南東に移動した.もう一つのeventでは0613 UTから2分間にわたって真南の方向からのオーロラX線を観測した.この場合は,オーロラX線源として円板型とarc型の二通りのモデルを仮定してsimulation計算を行い,観測と比較しオーロラX線源の方向と大きさをきめた.資料番号: SA0124790000
著者
松岡 勝
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.p477-496, 1975-07

1970年から1972年にかけて5回インドで行ったさそり座X線源SCOX-1の硬X線と光の同時観測の総括をし,この結果に関連してSCOX-1で現在問題になっている2,3の点について議論する.SCOX-1は数keVから40keVにわたる熱輻射が観測されており,その原因となる高温プラズマは密度が高く光子の電子による散乱がきいてくる.観測結果の理論的考察によるとX線や光の変動とともにこの高温プラズマの物理量も変動し,特に光又はX線のフレア時ではプラズマの量が多くなることによって光子の電子散乱効果も大きくなり熱輻射のスペクトルに影響をおよぼす.この他SCOX-1は40keV以上のエネルギでかなりフラットなスペクトルのX線があり,これを発生している領域は熱輻射領域の外にあり,熱輻射は電波発生領域に対して重要な役割をはたしていると考えられる.資料番号: SA0124600000
著者
岩間 彬 青柳 鐘一郎 祖父江 照雄 山崎 毅六
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.713-716, 1966-06

固体ロケットモータにおいては,点火器が燃焼室構造の重要な要素となっている.その幾何学的形状とケース材が燃焼室内のガスに与えるじょう乱の大きさによっては,点火器自身が音響振動を増幅するきっかけをつくり,不安定燃焼に成長する原因となり得る.この研究は,SSR1/4モータ(グレイン100mmφ×560mmL)に,管状点火器とかご型点火器の2種を装備して,地上燃焼実験を行ない,モータの燃焼安定性に主眼をおいて,両者を比較したものである.管状点火器は,軟鋼またはアセチルセルローズ製ケースに肌色火薬とMAK-54を充填したもので,フォアヘッド側自由流路にとび出している.ー方かご型点火器は,フォアヘッド鏡板の外側に取付けられ,着火後,未燃固型物がノズルを通過するおそれは仝くないという特長をもっている.前者は,ノズルスロートを未分解のケース材の一部が通過するとき,燃焼ガスにかなり大きいショックを付与し,燃焼圧カー時間曲線に小スパイクを生じ振動燃焼を起こす場合もある.これに対し,後者はこのようなトラブルがなく,モータの燃焼安定性を高めている.資料番号: SA0124890000
著者
柴崎 和夫 鈴木 勝久 小川 利紘 等松 隆夫
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.p83-96, 1979-03

NO_2の大気中全量の測定法を開発し予備的観測を行った.太陽・月を光源とした長光路吸光法を用い, NO_2以外に強い吸収帯の存在しない波長430-450 nm域を選び,スペクトル統計分析によって大気NO_2全量を精度良く求める方法を確立した.1977年3月~10月にわたって東京と茨城県柿岡で予備観測を行った結果,NO_2の鉛直気柱内密度は平均として東京では~10^<17>分子/cm^2,柿岡でも~6×10^<16>分子/cm^2に達しており,また日々の変化,1日の内の変化がかなり大きいことがわかった.これは大気汚染の影響を示すもので,柿岡の値が東京に匹敵することは汚染の広域化を証拠立てている.今後は,自然状態でのNO_2量の測定布目的として,高い山の上,海上等の汚染の及ばない場所での観測を行う予定である.資料番号: SA0125725000
著者
等松 隆夫 小川 利紘
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.17-36, 1967-01

高度80-200km領域の夜間電離層における電離源としての水素およびヘリウムの紫外大気光について考察した.水素原子1026Å(L_β),ヘリウム原子584Å,ヘリウム・イオン304Å(L_α)の三つの輝線について,これらが地球コロナに起因するものとして,その強度を推定し,同時に観測による水素原子1216A(Z'α)線強度を用いて電離生成率を計算した.電子およびイオン密度が昼間から夜間にかけて減少する過程を各高度レベルで計算し,あわせて夜間の平衡密度を計算した.もし,1216Åおよび1026Åの強度がおのおの4kR(=4×10^9 photons/cm^2/sec),10R(10^7 photons/cm^2/sec)であれば,夜間でも高度90-150kmで10^3cm^<-3>以上の電子密度が保たれ,最大平衡電子密度は105kmで2.5×10^3cm^<-3>となる.1216Åふく射の酸化窒素の電離過程は高度100km以下で有効であるが,100km以上では1026Åふく射の方が電離源として重要であることが結論される.また584Åおよび304Åふく射は,その強度がおのおの10R,1R程度でもO^+,O_2^+,N_2^+の生成に有効である.最後に理論計算の結果と観測結果を比較し,平均の夜間電離層の状態をよく説明できることを示す.資料番号: SA0125029000
著者
等松 隆夫 小川 利紘
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.49-58, 1972-03

1970年9月19目20時30分に打ち上げられた観測ロケット,L3H6号機による高度250~2,017kmの間で地球コロナおよび惑星間空間に起因するとおもわれるヘリウム584Åおよび304Åグローの測定結果にっいてのべる.He 584Å強度は上昇時250~720 kmの範囲で40から100R と増加し,それ以後ぱ減少し,高度1,600 kmでは30Rになった.ロケット下降時には1,400~600kmの範囲では約5R,それ以後ぱ減少し,440kmでは2R以下であった.この結果をもちいて求めた中性大気の温度は1,180°K±50゜Kであり,またヘリウム密度は720kmにおいて(1.2±O.2)×10^6 atoms/cm^3となった.一方,He^+ 304Åは420~1,200kmの開て12から4Rに減少し,また下降時には1.5±0.5Rであった.この強度は電離層に存在するヘリウムイオン量からすると強すぎるので,惑星間ブローである分算が大きい.資料番号: SA0125466000
著者
小川 利紘 等松 隆夫
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.211-219, 1970-03

K-10C-1号機によって,太陽紫外線の吸収を利用して上部成層圏および中間圏のオゾン密度分布を求める観測を行なった.この観測ではロケットの全飛しょう中のデータが得られたので,ロケットのプレセッションによって生じる見かけ上の太陽ふく射強度の変化は測光器の測定域(2500Åバンド,2900Åバンド,4500 Åバンド)で異なっていることがわかった.データ解析に際してはこの効果も含めて,プレセッションの影響を補正し,オゾン密度分布を求めた.またK-9M-21号機のデータをこの方法で再解析した結果から,高度60~65kmに存在すると指摘されていたオゾン密度の「第2のピーク」はその存在が疑わしいことになった.資料番号: SA0125321000
著者
等松 隆夫
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.286-289, 1966-03

資料番号: SA0124821000
著者
松岡 勝 宮本 重徳 小田 稔 小川原 嘉明 高岸 邦夫 中川 道夫
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.631-640, 1974-09

さそり座X線源,SCO X-1からの軟X線を観測することはSCO X-1までの星間空間とSCO X-1のまわりの中性ガスの存在(これら両者合わせてSCO X-1までの中性ガスの線密度と言う)を知る上に重要である。われわれはこれまでの3回のロケット実験により軟X線を観測し同種の観測装置,統一的なデータ解析法によりSCO X-1までの中性ガスの線密度を得ることが出来た。この3回の観測結果はガスの線密度が時間的に変動していることを明かにした。もしSCO X-1に対して一様高温プラズマのモデルをとるとするとその最低値は5×10^<20> H/cm^2 以下であり,その最高値は5×10^<21> H/cm^2 であった。資料番号: SA0124432000
著者
小原 嗣朗 武藤 範雄 KOHARA Shiro MUTO Norio
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1_B, pp.379-402, 1977-03

グラファイトノズルとFRPノズルの長所を合わせた性質をもつノズルとして,グラファイト-FRP積層材ノズルの研究を進めた。グラファイトおよびFRPの性質に関する基礎的な研究を行った後,小型の積層材ノズルを作り,テストスタンドで燃焼実験を行った。各種の推薬を用い,種々な条件における燃焼実験を繰返して,実用に供し得る程度の性能をもつ積層材ノズルを開発した。
著者
堤 四郎 竹屋 芳夫 黒田 託三 TUTUMI Shirou TAKEYA Yoshio KURODA Takumi
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1_B, pp.74-86, 1972-03

The basic chemical processes and engineering techniques concerning with the generation of the artificial cesium plasma clouds in the upper atmosphere were investigated. After some prior ground tests, it was designed and constructed the effective rocket- born type vapourizer as to be satisfied the requrement of payload conditions. The total chemicals weighted 8. 1 kg consist of cesium nitrate, aluminium granuels and sodium nitrate with small percentage. The K-9 M-33 rocket carrying this payload and another barium cloud source was launched on 26, Aug. 1971, at Kagoshima Space Center at 19 35 JST. Visible and photogenic plasma clouds were successfully created at the altitude of 117 km and 240 km, respectively. The optical data was obtained for the period of about 300 sec. at the five observing points. HF Radio wave tracking for them was tried by the some facilities, ionosonde at K. S. C. and syncronous receivers at K. S. C. and Nishinoomote City and ionospheric facility at Yamakawa, simultaneously operated. The echoing traces accompanied with the generation of the plasma clouds were appered for the period of about 13 min. in the records of Yamakawa Station. The predicted electron density at the initial phase of the Cs plasma cloud was consistent with observational results.

1 0 0 0 IR 研究の回顧

著者
谷 一郎
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.163-178, 1968-04

資料番号: SA0125062000