著者
森 彩乃
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.273-282, 2018-03-01 (Released:2018-03-06)
参考文献数
35
被引用文献数
1 1

本研究では,解離傾向が学校での孤立傾向にどのような影響を及ぼしているのかについて,2回のパネル調査による検討を行った。対象は中学1年生~高校1年生407名(男子210名,女子197名)とし,Time 1を9月,Time 2を翌年度の2月に実施した。解離傾向(The Adolescent Dissociative Experiences Scale) については,Time 1で全体の10.1%,Time 2で全体の8.1%にカットオフ以上(病的解離が疑われるレベル)の高い解離得点が認められた。学年と性別および共感性を統制し,解離傾向と孤立傾向(学校での不適応傾向尺度)の交差遅延効果モデルによる分析を行ったところ,Time 1の解離傾向はTime 2の孤立傾向の高さを予測することが明らかになった。
著者
林 倫子 森 彩乃 大窪 健之 金 度源
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D1(景観・デザイン) (ISSN:21856524)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.99-109, 2021 (Released:2021-10-20)
参考文献数
20

水システムは地域の社会基盤として不可欠のものであり,その地域の生活や生業,そして景観を特徴づけるものである.本研究では,ヒアリング調査をもとに,現役の古式水道である交野市倉治の「取り水」の歴史と現在の利用実態を明らかにした.その際には,高島市勝野をはじめとする他地域の古式水道と比較しつつ,システムの特徴を地域横断的視点でも記述した.主な成果として,歴史に関しては,竹管や松材を利用した初期の取り水施設とその維持管理に関する地域知,施設と運営組織の近代化過程が確認された.現在の利用実態に関しては,住居内利用の場合,水質に対する意識に応じて利用用途に差が見られたこと,供給量の少なさと不安定さを克服するために貯水設備や上水道のバックアップ設備を住宅に備えていることが明らかとなった.