- 著者
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林 倫子
森 彩乃
大窪 健之
金 度源
- 出版者
- 公益社団法人 土木学会
- 雑誌
- 土木学会論文集D1(景観・デザイン) (ISSN:21856524)
- 巻号頁・発行日
- vol.77, no.1, pp.99-109, 2021 (Released:2021-10-20)
- 参考文献数
- 20
水システムは地域の社会基盤として不可欠のものであり,その地域の生活や生業,そして景観を特徴づけるものである.本研究では,ヒアリング調査をもとに,現役の古式水道である交野市倉治の「取り水」の歴史と現在の利用実態を明らかにした.その際には,高島市勝野をはじめとする他地域の古式水道と比較しつつ,システムの特徴を地域横断的視点でも記述した.主な成果として,歴史に関しては,竹管や松材を利用した初期の取り水施設とその維持管理に関する地域知,施設と運営組織の近代化過程が確認された.現在の利用実態に関しては,住居内利用の場合,水質に対する意識に応じて利用用途に差が見られたこと,供給量の少なさと不安定さを克服するために貯水設備や上水道のバックアップ設備を住宅に備えていることが明らかとなった.