著者
森 裕紀子 早崎 知幸 伊藤 剛 及川 哲郎 花輪 壽彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.79-86, 2014 (Released:2014-10-17)
参考文献数
57

漢方治療中の予期せぬ好転反応を瞑眩という。瞑眩と有害事象の鑑別は重要である。しかし,これまで瞑眩の頻度や内容についての全体像は明らかになっていない。そこで過去の症例報告から瞑眩の特徴を1)発症時期,2)持続日数,3)症状に関して検討した。対象は,1945年から2009年までの64年間に報告された瞑眩事例報告のうち,その症状の発症時期の記述がある70症例とした。症状の発現は,症例の42%が服用当日に,79%は3日以内に生じた。持続日数は35%が服用当日のみで,63%が3日以内だった。これらの症状の39%は瞑眩と判断しにくい症状であった。また2010年5月から2011年11月までに受診した143例の初診患者(自験例)において,初診時処方(煎じ薬)で瞑眩事例と判断した症例は11例(7.7%)であった。
著者
國吉 康夫 森 裕紀
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.14-19, 2012 (Released:2012-02-15)
参考文献数
28
被引用文献数
2 1
著者
森 裕紀子 五野 由佳理 及川 哲郎 小田口 浩 花輪 壽彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.274-279, 2016 (Released:2016-11-22)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

群発頭痛の発作軽減に選奇湯の頓用が奏効した症例を経験した。症例は46歳女性で,30歳頃より季節の変わり目に群発頭痛の発作があり,症状は3日間持続した。発作時トリプタンや消炎解熱鎮痛剤は無効で,その発作の持続時間が長く頻回となったため漢方治療を希望し来院した。瘀血と気鬱より随証治療で通導散料を処方して頭痛の頻度と程度は軽減したが,鎮痛剤が無効な頭痛発作は生じた。そこで眉稜骨(眼窩上縁)内側の圧痛を認め,痛みの範囲が眉稜骨周囲のため頭痛時に選奇湯を頓用としたところ,最近1∼2週間持続した発作が30分で消失した。一般に構成生薬が少ない漢方薬ほど切れ味がよいとされる。選奇湯は黄芩を含む5味と構成生薬が少なく,頓用での効果が期待できる。眉稜骨周囲の痛みに対して,特に眉稜骨内側の圧痛を認める場合は選奇湯の頓用は試みるべき処方の1つである。
著者
國吉 康夫 寒川 新司 塚原 祐樹 鈴木 真介 森 裕紀
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.415-434, 2010 (Released:2012-01-25)
参考文献数
82
被引用文献数
4 4

Early human motor development has the nature of spontaneous exploration and boot-strap learning, leading to open-ended acquisition of versatile flexible motor skills. Since dexterous motor skills often exploit body-environment dynamics, we formulate the developmental principle as the spontaneous exploration of consistent dynamical patterns of the neural-body-environment system. We propose that partially ordered dynamical patterns emergent from chaotic oscillators coupled through embodiment serve as the core driving mechanism of such exploration. A model of neuro-musculo-skeletal system is constructed capturing essential features of biological systems. It consists of a skeleton, muscles, spindles, tendon organs, spinal circuits, medullar circuits, and a basic cortical model. Models of self-organizing cortical areas for primary somatosensory and motor areas are introduced. A human infant model is constructed and put through preliminary experiments. Some meaningful motor behavior emerged including rolling over and crawling-like motion. The results show the possibility that a rich variety of meaningful behavior can be discovered and acquired by the neural-body dynamics without pre-defined coordinated control circuits.
著者
石 晶 李 志豪 本吉 俊之 大西 直 森 裕紀 尾形 哲也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1L2J1101, 2019 (Released:2019-06-01)

深層学習を用いてサブタスクを学習することにより,自動運転におけるメインタスクの性能を上昇させることができる.Li et al. 2018の研究では,周囲の認識を担うPerception Module(Semantic Segmentation, Depth情報を抽出)と,運転操作を行うDriving Moduleという2つのモジュールを用いたマルチタスク学習手法を提案し,未知の環境での汎化性能を改善することを示した.しかし,メインタスクに対するサブタスクの理論的な設計は無い.本研究では,Li et al. 2018の研究をもとに自動運転における複数のサブタスクの組み合わせによる運転行動の生成結果を比較する実験を行なった.その結果,Semantic SegmentationのみをPerception Moduleが学習する際に汎化性能が最も高くなった.
著者
森 裕紀子 鈴木 邦彦 及川 哲郎 花輪 壽彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.250-255, 2015 (Released:2015-11-05)
参考文献数
29
被引用文献数
1

白朮附子湯は『傷寒論』に「風湿相摶身體疼煩」1)と記載があるが報告は少ない。今回梅雨時に発症した四肢の痛みの再発例に対して白朮附子湯が著効した症例を経験した。症例は45歳女性。X-1年6月に,両手足の痛みとしびれが出現し暖まると痛みは改善し,疲れると痛みは増し筋肉痛のようなだるさがある。1年半前に同じ症状で主に駆瘀血薬を1年間服用し症状が消失していた。前回同様に瘀血所見が強く駆瘀血薬を処方したが症状は消失しなかった。以前の痛みの発症も梅雨時だったことに注目し,表湿に冷風が加わり生じた痛みと考え白朮附子湯に転方したところ2週で痛みは消失した。翌年6月も痛みが再発し白朮附子湯を処方し11日で治癒した。痛みの性質と発症時期から初診時の痛みも湿による痛みだったと推測する。梅雨時に発症する痛みは,冷房設備の整った環境で生活する現代において今後増える病態であり,白朮附子湯は考慮すべき処方の1つである。
著者
森 裕紀 國吉 康夫
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.28, no.8, pp.1014-1024, 2010-10-15
被引用文献数
3 2

Recent progresses of ultrasound imaging technology have induced observations of fetal intrauterine behavior and perspective intrauterine learning. Understanding fetal behavior in uterus is important for medical cares for prenatal infants, because the intervention like "nesting" in NICU (Neonatal Intensive Care Unit) is based on a perspective of intrauterine learning. However, fetal behavior is not explained sufficiently by the perspective. In this study, we have proposed a hypothesis in which two of fetal behavior, Isolated leg/arm movements and hand/face contact, emerge from exploration by neural oscillator in spinal cord and self-organization of nervous system through tactile information in uterus. We have conducted computer experiments with a simple musculoskeleta model and a whole body fetal musculoskeletal model with tactile in uterus for the hypothesis. We confirmed that tactile information induce reflexive behaviors by the experiments of the simple model, and the fetal model with human like tactile distribution have behaved with the two behavior similar to the correspond real fetal behaviors. Our experiments indicated that fetal intrauterine learning is possibly core concept for the fetal motor development.
著者
河野 圭祐 横山 裕樹 森 裕紀 浅田 稔
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

ある変数の影響を除いた上で2つの多変量間の関係を強さを求める手法として偏正準相関分析があり,グレンジャー因果などの因果指標の計算などに用いられている.しかし偏正準相関分析は複数の異なる関係をもったデータが混ざったデータに対しては適用することが出来ない.本研究では偏正準相関の混合モデルを仮定することで,この問題の解決を試みる.また人工データを用いた実験を行い既存手法に対する優位性を示す.