著者
森 重敏
出版者
教育心理学研究
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.1-11,60, 1969
被引用文献数
2

普通の1小学校における知的優秀児の検出によってその存在率を確認し,そこで試みたいろいろな調査によって,優秀児の発達的な特徴を検討した。それぞれの調査面において,少なからず知的優秀児の優位が認められたが,その他にも,傾向としてみられるかれらの優秀性が暗示された。と同時に,同等性も少なからず示された。そこには,調査法や実施面その他についての難点もいくらか反省点として見出されるのであるが,この調査を基礎として,残された次の課題,とくに性格特徴の把握へ進み・知的優秀児の本質の解明へ接近しようとするものである。付記:末尾ではあるが,本研究の遂行にあたってあたたかい御助言を賜わった山下俊郎先生,および調査実施に際して快く御協力くださった三光小学校校長遠藤五郎先生ならびに積極的に御尽力くださった外村近教諭その他の先生方に対して心から感謝の意を表したい。なお,実施に多大の労を要した諸種の検査および調査は,東京家政大学児童学研究室の上原万里子,伊藤礼子両助手の手によるものである。あわせて深謝したい。