著者
安達 友広 久保 勝裕 西森 雅広
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.546-552, 2015-10-25 (Released:2015-11-05)
参考文献数
24
被引用文献数
1

明治期の北海道内陸部で建設されたグリッド市街地の多くは、「殖民地区画制度」に基づいて計画された。これらは合理的に農耕地を開拓するための原野区画と一体的に形成され、空間的には原野区画とその軸性が一致するのが特徴である。特に、原野区画の基準となった「基線」は、開拓道路として地域で最も早くに開削され、沿道に市街地が開設された場合が多いことから、市街地の空間構成を考える上でその性格を把握することは重要である。一般的に、北海道の空間計画における「基線」は、高燥地であること、勾配や凹凸が少ないこと、原野区画の基準線として当該原野を長く貫くこと、等の合理的な理由に基づくものとされてきた。しかし、基線上に山当ての現象が見られる等、それだけでは説明できない場合も指摘されている。本論では、歴史的資料を用いて原野の空間計画の考え方を分析すると同時に、羊蹄山周辺地域の事例分析から「基線」の設定と山当ての関係を考察し、それらが合理性だけではなく、デザイン的要素も加味した計画手法であったことを明らかにした。
著者
久保 勝裕 西森 雅広 加藤 健介
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.44.3, pp.547-552, 2009-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
2

北海道の鉄道は、廃線により大きく減少した。廃線から約20年が経過し、現在の旧駅周辺地区の実態を検証する必要がある。本論では、都市構造と廃線後の跡地活用との関係から、旧駅周辺地区の実態を明らかにする。研究対象は、52の廃線自治体であり、アンケート調査を実施した。分析の結果、かつて駅と商店街が近接していた中規模以上の廃線自治体において衰退が特に顕著であり、駅舎跡地に集客施設を導入しても、駅の代替施設になりえていない実態などが明らかになった。
著者
中山 義人 森 雅広 成末 義哲 森川 博之
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会誌 (ISSN:18842135)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.26-38, 2018 (Released:2019-06-17)
被引用文献数
1

営業活動における意思決定から,営業担当者個人の経験や直感といった属人的要素を取り除くことにより 営業活動を大幅に効率化するための手段が求められている .筆者らはこの 課題に対し, 機械学習モデルを 用いた 業務意思決定支援システムの構築を試みて いる その構築に際し, 受注確率が高い営業活動の プロセス を学習する必要があるため,営業活動の 意思決定 から 規則性を 抽出するプロセス発見技術が不可欠である. 従来の プロセスマイニング におけるプロセス発見手法では ,定型的な業務プロセスを対象として システム出力されたイベントログに含まれるイベントの実行順序の情報から 業務プロセスの規則性やルールを抽出する しかし 営業活動の意思決定においては ルールが予め分かっていないだけでなく 入力情報が営業日誌などの非構造化データであるために ,従来のプロセス 発見 手法 を 適用する ことは困難である そこで 本稿では 業務意思决定支援システムに向けた 営業活動の 意思決定 の プロセス発見手法に対し 非構造化データに基づいた アクティビティ 推定,および,非定型プロセスにおける規則性を確率的に表現するための プロセス推定を用いた プロセス発 見手法を示す.