著者
内藤 重之 森下 正博
出版者
大阪府立食とみどりの総合技術センター
雑誌
大阪府立食とみどりの総合技術センター研究報告 (ISSN:13484397)
巻号頁・発行日
no.43, pp.5-12, 2007-03
被引用文献数
4

1. 大阪府では1980年代から伝統野菜の遺伝資源の収集と特性調査を実施してきたが,1990年代後半以降,「天王寺蕪」「田辺大根」「毛馬胡瓜」「勝間南瓜」などが復活し,地域住民の有志やNPO法人,行政によって普及・啓発が行われている。2. 大阪市内においては「なにわの伝統野菜」が原産地域を中心に学校や一般家庭で栽培され,寺社の行事や商店街のイベントにも組み込まれるようになるなど,地域の活性化に大いに役立っている。3. 「なにわの伝統野菜」は原産地域の小学校で生活科や総合的な学習の時間などに栽培され,食育や環境教育の生きた教材として役立っている。4. 「なにわの伝統野菜」を使用した加工食品の商品化やメニュー化が地域の食品製造業者や飲食業者等によって進められており,百貨店や専門小売店等でも「なにわの伝統野菜」の青果や加工品が販売されるようになっている。これらの動きとも連動して,「なにわの伝統野菜」の生産は徐々に増加している。5. 今後,「なにわの伝統野菜」によって産業振興を図るためには,推進方針を明確化し,関係者がビジョンを共有することや,「なにわの伝統野菜」の特性を十分に考慮した上で,需要と供給をバランスよく拡大していくことが重要である。
著者
石塚 譲 因野 要一 西岡 輝美 出雲 章久 川井 裕史 山田 英嗣 大谷 新太郎 入江 正和 上脇 昭範 庄 澄子 高倉 将士 西田 祐子 大石 武士 安田 亮 おおちやまくじら生産組合 猟友会能勢支部
出版者
大阪府立食とみどりの総合技術センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

野生獣肉(ホンシュウジカ、イノシシ)成分は野生植生の影響を受けていたが、一般成分に捕獲時期の影響は少なかった。成分中では粗脂肪含量が家畜に比して少ないこと、イノシシ肉のα-Toc含量はブタ肉と同等であること、牛肉よりは酸化しやすいことが判った。利用先である西洋料理店は、年間を通じて野生獣肉を利用しており、肉利用にあたり品質や安全性を重視していること、購入価格が高いと考える店が多いことが判った。