著者
長谷川 亜樹 藤原 康広 森本 元太郎 平野 秀典 沖本 憲明 泰地 真弘人 船津 公人
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.50-51, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
9

創薬プロセスの初期段階における、仮想スクリーニングの対象となる仮想化合物ライブラリでは、新規骨格を持つ化合物を豊富に含みかつそれらが合成可能であることと、そこから有用な情報を効率良く取り出せることが重要である。我々は、主要な人名反応から抽出した構造変換規則を繰返し適用することにより、一千万化合物の化学構造から重複の無い17億の仮想化合物の化学構造を生成した。これら全ての仮想化合物は合成経路情報によって結ばれ、合成戦略の検討材料を提供することが可能となる。更に我々は、これらの化学構造と合成経路情報に、記述子及びフィンガープリントを付加してデータベースを構築し、部分構造、類似性、及び物性値に基づく検索機能を実装した。今後はライブラリに含まれる化合物の特性をケミカルスペースにおいて把握するための可視化技術の開発・高度化を進め実効性に富む仮想化合物ライブラリを構築していく。
著者
植田 毅 藤井 雅留太 森本 元 宮本 潔 小作 明則
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

青い羽根を持つルリビタキの羽枝の断面TEM画像より、羽枝を多孔質誘電体円筒とした数理モデルを完成し、様々な入射角に対する反射特性を計算した。その結果、ルリビタキの羽の反射スペクトルはポーラス構造による反射で、また、エアーロッドがランダムに並んでいることが本質的であること、反射スペクトルが青色より長波長側に尾を引くのは光が斜めに入射した部分の寄与であることを示した。また、網目構造を持ち、より複雑なカワセミの羽枝の実測に基づく数理モデルを完成した。
著者
三上 修 植田 睦之 森本 元 笠原 里恵 松井 晋 上田 恵介
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.A1-A12, 2011 (Released:2011-05-20)
参考文献数
12
被引用文献数
2

近年,日本国内においてスズメ Passer montanus の個体数が減少していると言われている.その原因はわかっていないが,熊本で行なわれた先行研究では,都市部では農村部とくらべて1つがいが連れている巣立ち後のヒナ数が少なく,都市化にともなう何らかの要因がスズメの減少をもたらしている可能が示唆されている.しかし,この研究は狭い地域で行なわれたものであり,それが本当に日本全体でも起きているかはわからない.そこで2010年にこの研究と同じく,巣立ち後のヒナ数を調べる調査を「子雀ウォッチ」と銘打ち,一般市民に協力してもらう形で全国規模で行なった.その結果,全国から406の記録が集まり,それを解析したところ,巣立ち後の平均ヒナ数は,商業地で1.41羽,住宅地で1.81羽,農村では,2.13羽と,商業地,住宅地,農村の順で多くなった.この結果は前述の先行研究の結果と整合性があり,やはり都市化と関連している何らかの要因が全国規模でスズメの減少要因になっていると考えられる.この子雀ウォッチを今後もつづけ,記録を蓄積することで,スズメの減少要因の解明につながると期待できる.