著者
森永 八江
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成30年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.133, 2018 (Released:2018-08-30)

【目的】昆虫食の試食会を行い、昆虫食の課題について検討することを目的とした。【方法】昆虫食試食会は2014年12月に山口大学の食堂で行われ、アンケート調査を行った。昆虫食試食会のメニューはジョロウグモ入りかき揚げ、バッタ入り豆腐ハンバーグ、セミの親子串揚げ、スズメバチのかき揚げ、カマキリの南蛮漬け、コオロギのクリームチーズカナッペ、タイ風バッタの春雨サラダ、タイ風セミの炒め物、カイコの串揚げ、ズメバチのから揚げ、イコのトマトスープ、モンクロシャチホコ(桜毛虫)の素揚げ、イナゴの揚げ物であった。【結果】アンケートは99枚回収した。1番気に入った料理の1位はセミの親子串揚げで全体の27%だった。次いで、クモと玉ねぎのかき揚げ13%、コオロギのクリームチーズカナッペ12%であった。1番苦手だった料理の1位はタイ風セミの炒め物で全体の33%だった。次いでバッタ入り豆腐ハンバーグ12%、セミの親子串揚げ7%であった。1番気に入った料理で上位のセミの親子串揚げ(27%)やクモと玉ねぎのかき揚げ(13%)は、1番苦手だった料理ではそれぞれ7%と3%と低かった。反対に1番苦手だった料理で上位のタイ風セミの炒め物(33%)やバッタ入り豆腐ハンバーグ(12%)は、1番気に入った料理ではそれぞれ3%と4%と低かったことから、気に入ったものと苦手だったものの割合は味・食感・見た目が対照的であると分かった。また、昆虫の原形が残っているとまだまだ食べることに抵抗があると考えられた。そこで、ほかの食材に昆虫を挟み、昆虫が見えないようにする、少し刻んで小さくし、昆虫だと分からないようにするなどの工夫をすることで、昆虫を食べることへの抵抗を少しでも小さくできるのではないかと考えた。
著者
岩井 邦久 森永 八江 西嶋 智彦
出版者
青森県立保健大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

フラボノイドは抗酸化活性等の保健効果が期待されているが、吸収性が低い。我々は、ペクチンがフラボノイドの吸収を促進する作用とそれによる生理的影響について検討した。その結果、フラボノイドの水酸基が多いことやカルボニル基の有無等が作用に関与していることを明らかにした。また、ケルセチンの吸収はペクチンの摂取量依存的に増加し、それによって低密度リポタンパク質 (LDL) の酸化抵抗性も強まることも明らかになった。これらの結果は、ペクチンの新しい作用を示す可能性があると共に、フラボノイドの吸収性向上にアプローチするものである。