著者
北嶋 諒 森田 剛文 古橋 暁 木内 亮太 武田 真 菊池 寛利 渡邊 文利 杉本 健 坂口 孝宣 竹内 裕也
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.116, no.7, pp.583-591, 2019-07-10 (Released:2019-07-10)
参考文献数
27

症例は60歳女性,貧血精査内視鏡検査でVater乳頭部腫瘍とその肛門側に粘膜下腫瘍を認めた.皮膚筋肉に多発する腫瘤やcafé au lait斑および乳頭部腫瘍生検より,神経線維腫症1型(NF1)に随伴する神経内分泌腫瘍(NET)と診断した.膵頭十二指腸切除術施行時,近位空腸漿膜に突出する結節が散在していた.病理上,乳頭部腫瘍はNET G2,乳頭肛門側腫瘍を含め他の腫瘍はいずれもGISTであった.本症例のような報告はまれである.
著者
森田 剛文
出版者
浜松医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

肝細胞癌 37 例を対象に質量顕微鏡法を用いて脂質解析を行った。肝細胞癌と隣接非癌部においてリン脂質の分布が異なっていた。リン脂質の分布が異なる原因として、リン脂質のリモデリング酵素(LPCAT)の発現を確認したところ LPCAT1 の発現が癌部において増加していた。2 種類の肝細胞癌細胞株に対して LPCAT1 の遺伝子発現を抑制したところ、コントロールの細胞と比較してリン脂質の組成に変化が生じ、増殖が抑制され、浸潤・遊走供に抑制された。次に LPCAT1を過剰発現させたところ、細胞増殖や浸潤能が増加することが確認された。