著者
田村 文隆 岡本 渉 植木 克彦 平山 雅之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.23, pp.163-170, 2002-03-07

探索型デバッグ手法は ユーザが効率良くバグの原因箇所を特定する手助けを行う手法である.これを実現する為に 我々は 特徴値 類似度という二つの量を定義し利用している.本稿では 特徴値を中心に、その意味、利用方法、定め方を述べる。特徴値は、ログ内に含まれる各事象に対し、その発生確率が低いほど大きい値を取るように定められる。多数の事象が同じ特徴値を持つという縮退の問題を持つ。我々は、この縮退を説く方法を考察した。最後に、現在我々が進めている実験の一例を紹介することにより、特徴値の定め方の有効性を示す。We proposed 'Exploratory Debugging Method' which supports users to locate the failures in software. For the quantitative analysis, we defined two values: 'peculiarity' and 'similarity'. In this paper, we focus the former and eexplain its details. Peculiarities are defined for each event in a given program's trace, such that rare events have high values. However, there are high degeneracies in the peculiarities defined above. We studied a method to resolve this degeneracy. To illustrate the adequacy of our method, we show one practical example chosen from our experiments.
著者
村上 知嘉子 安田 剛 植木 克彦 中村 英夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.155-156, 1992-02-24

最近の組み込みシステムでは、リアルタイムOSを用いてマルチタスクのアプリケーション・プログラムを制御するようになってきている。しかし、アプリケーション・プログラムは大規模化の傾向にあり、ひとつのマイクロプロセッサでは処理が困難になっている。そこでターゲットシステムの処理能力を高めるために、複数のマイクロプロセッサを使用し、その上でアプリヶーショシ・プログラムを分散処理するという方法がとられている。そのため、従来から行われているクロスソフトウェア開発手法において、複数のマイクロプロセッサから構成されているターゲットシステムについてもホストマシン上からデバッグを可能にする必要がでてきている。そこで、このようなデバッグ環鏡を整えるために、必要な機能について報告する。
著者
原 圭吾 植木 克彦 平山 雅之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.25, pp.73-80, 2000-03-09

近年、家電や携帯端末のような組み込みシステムは大規模化と複雑化が進んでいる。これらの変化に対応し、かつ加速する市場サイクルに追随していくためには、開発工程の効率化と短縮が不可欠である。特にこれらの複雑な組込みシステムではテストに多大な工数を必要としており、開発遅延などを引き起こす大きな要因の一つになっている。これに対しソフトウェアシミュレータを使ったテスト環境を利用する事でテスト工程を効率化する方式が提案されているが、これらの方式ではシミュレーションのための環境を構築するためのコストがかかるといった問題が新たに生じている。本報告ではシミュレー夕の再利用を円滑に進める方式を提案し、これにより上記の問題の解決を図るアプローチを採用した。ここではシミュレーション環境を再利用するにあたり、再利用する側の要求機能、再利用される側の機能や再利用のパターンをもとに、シミュレーション環境全体の機能分割について、再利用性を考慮した分割手法を提案した。またシミュレーション環境の再利用を進める際の作業プロセスにも着目し、再利用時の機能抜け防止を目的としたシミュレーション環境構築プロセスを提案した。シミュレーション環境構築プロセスとしては特に再利用するシミュレー夕に対する機能の実現度合いやシミュレーション精度に着目し、機能の過不足や精度の不足を動作時にアサーションなどを応用して検証する方式についても提案する。Recently, it became popular to use software simulators for embedded software testing because it brings high efficiency of testing and also high quality of software. On the other hand, since simulation environments consist of these simulators generally require much building cost and time. Therefore, re-use of existing simulators is recommended. However, conventional simulation environments and simulators have not been considered their reuse mechanism enough, it is difficult to reuse these simulation environments. In addition, the difference between the building environment and the reusing environment often causes functional shortage of the building environment. This paper proposes an architecture of simulation environment which focuses on frequency f reusing, and building process using assertion technique to detect functional shortage. Proposed architecture and process enable to reuse existing environments efficiently and also to achieve high reliability of simulation environments.