著者
植木 雅昭 深野 淳 吉川 太朗 西河 俊伸 細見 心一 水内 保宏 辻田 忠弘
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.7(2003-CH-061), pp.25-32, 2004-01-23

本論文は絵画における作図法表現によって,人間の心理がどのように変わるかを心理物理的に実験したものである.絵画として17世紀オランダの画家フェルメールの“牛乳を注ぐ女”を用いた.この絵画はフェルメールが,あえて透視図法(遠近法)の正確さを捨て,ひたすら目に自然な構成を優先させたと言われている[3].実際に透視図法を用いなかったことで,どのような効果が得られたのかについて,比較分析実験によって評価し,感性の「評価性」,「活動性」,「情緒性」における3次元性分析を行った.その結果,実際の絵画においては「評価性」,「活動性」に,透視図法を用いた絵画においては「情緒性」に高い効果が得られた.
著者
植木 雅昭 深野 淳 西河 俊伸 細見 心一 水内 保宏 辻田 忠弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.107, pp.49-56, 2003-10-24
被引用文献数
4

本論文は絵画における色の効果によって,人間の心理がどのように変わるかを心理物理的に実験したものである.絵画として17世紀オランダの画家フェルメールの"真珠の耳飾りの少女"と"牛乳を注ぐ女"を用いた.フェルメールの好きな色と言われている青色と黄色の効果の対立性を考え,真珠の耳飾りの少女のターバンの青色と牛乳を注ぐ女の胴着の黄色について,SD(Semantic Differential)法[1]の多次元分析を用いて,色の対立的な性質として感性の三次元分析を行った.その結果,「活動的」に関して特長的な結果が得られた.In this paper, it is physically evaluated how human being's psychology changes by effect of the color of blue turban in "HEAD OF A GIRL WITH A PEARL EARRING" and yellow clothes in "THE MILK MAID" of Vermeer who is a famous realistic painter in the 17th century. Through the conflict of effect of blue and yellow that were Vermeer's favorite color, I analyzed the difference of sensibility in between blue terban in "HEAD GIRL WITH PEARL EARRING" and yellow clothes in "THE MILK MAID" on the three- dimensions by using the multi-dimensional analysis of the SD method as the conflicting characteristic of color. As a result, a characteristic outcome about "activeness" was emerged by the SD method.