著者
植竹 桃子 松山 容子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.83-91, 1994-01-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

成人に至る以前のどの時期に, 近年著しくみられるスリム志向が成立してくるのかを明らかにするために, 小学4年生から高校2年生までの男女の児童・生徒, 合計2,673名に対して, 肥り痩せの意識についての質問紙調査を行った.主な結果は, 以下の通りである.1) 女子では, 身長が高く体重が軽いことを望むスリム志向が, 中学生以降に明確になる.男子では, 女子よりも遅れてスリム志向が現れるが, その度合は女子ほど強くなく, 内容的にも体重よりも身長が高いことを望む高身長志向の傾向が認められる.これらの志向には, 身長, 体重はもとより, 身体の様々な部位に対する意識も関与している.2) 身長・体重に対する留意度と衣服の選択法との関係から, 若年成人と同様に, 肥り痩せの意識と自分の外観を重視するおしゃれ感との結びつきが認められた.3) 成人にみられるような肥り痩せについての偏った意識をもつことを予防するためには, スリム志向が成立するまでに至っていない小学校の比較的早い学年時に, スリム志向を見直す機会を与えることが必要だと考えられる.
著者
植竹 桃子 正地 里江
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.59, pp.27, 2007

<目 的> わが国が抱える多くの課題の中で、少子化,女性の社会進出,循環型社会の構築に着目すると、核家族化した育児中の家庭における合理的かつ地球環境を配慮した衣生活を推進すること、の必要性は否定できない。本研究では、衣生活の中で洗濯に焦点をしぼり、育児中の家庭における洗濯の実態を把握し、問題・課題を明確化することとした。<BR><方 法>(1)調査対象:東京近郊に居住して、おむつを使用中の乳幼児を育てている母親7名(満22歳~36歳,平均30.9歳)。(2)調査方法:面接調査(基本的に調査対象者の自宅にて実施)。(3)調査内容:家事全般に対する姿勢,家庭洗濯のしかた,洗濯物の乾燥法,使用おむつの現状。<BR><結 果>(1)家庭洗濯はほぼ毎日行い、子供用品を中心につけ置洗い・下洗い,仕分け,漂白の手間もかける傾向にある。(2)乾燥機或いは浴室乾燥設備を所有しているのは7名中3名で、その使用は梅雨時や大物を乾かす時に限られている。基本的な乾燥法は屋外干しで、必要に応じて日常生活スペースへの屋内干しを行っている。(3)現在の使用おむつは全員が紙おむつで、紙おむつに対して何らかの問題点を感じながらも、紙おむつの便利さが魅力となっている。(4)布おむつに関しては、干し場等の乾燥に対する懸念よりも、一様に洗濯することへの大変さ,否定感が示された。以上より、育児中の家庭における洗濯に対する姿勢は、一般的な衣服と布おむつでは著しく異なることから、布おむつの使用を推奨する場合には、おむつに対する正しい知識・情報の提供が必要と考える。
著者
植竹 桃子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.148-157, 2014 (Released:2015-01-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1

In order to be prepared for natural disasters and develop an effective self-sufficient emergency body waste management system, the author devised a personal emergency toilet that uses disposable diapers that are readily available on the market and tested it under various conditions.   The addition of 200 cm3 of wood pellets sold as cat litter to each toilet unit was found to be effective in preventing the toilet from producing ammonia gas and emitting a foul smell. An oxygen-based bleaching agent for clothes was not very effective in preventing them, especially during the hot summer season. Spraying the toilet about six times with the agent after use was found to be the most effective. This disposable diaper-based personal toilet is cheaper than ordinary emergency toilets on the market, and the materials are easily available. Based on the results, the author proposes adopting disposable diaper-based personal toilets to prepare for natural disasters.