著者
吉田 晋 植野 慎介
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.65-76, 2017 (Released:2017-12-28)
参考文献数
16

農業分野におけるICT活用の研究が進められているが,環境センサネットワークシステムのコスト高や,圃場での電源確保の課題により,まだ広く普及していない.農業ICTの活用事例を増やし広く普及させるためには,環境センサネットワークの低価格化だけでなく,それと組み合わせる独立電源の低価格化が必要である.近年,太陽電池価格は急激に低下してきたが,独立電源システムの選定方法が明らかでない.本研究では,低価格環境センサ用独立電源について,低電圧直流負荷装置の電流に対する太陽電池および蓄電池の選択手法について検討し,その選定手順を明らかにした.センサ部用と,データ収集の為のゲートウェイ用の低価格独立電源を設計した.また,センサ部の負荷電流の低減検討と発電用太陽電池を日射計と兼ねることで環境センサ部全体のコスト低減を行った.製作した独立電源を用いた環境センサの実証実験を行った結果から安定した電源確保が確認できた.