著者
熊野 宏昭 富田 望 仁田 雄介 小口 真奈 南出 歩美 内田 太朗 武井 友紀 榎本 ことみ 梅津 千佳
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
pp.20-032, (Released:2021-06-25)
参考文献数
17

パンデミック下の心療内科プライマリーケア施設において、遠隔認知行動療法を導入したプロセスについて報告する。対面カウンセリングからの移行に要した期間は1カ月余と比較的短期間であったが、これには留意点をまとめた文献と使い慣れたWeb会議ツールZoomの活用が有用であった。6カ月弱で22例が導入され、延べ92回のカウンセリングが実施されたが、診断、支援技法の内訳は対面時と同様であった。中断ケースはなく、昨年度の同時期よりも継続率は高かった。患者の満足度は昨年度と変わらず、主担当・副担当から見た支援の質では、デメリットよりもメリットに関する報告が多かった。修士課程1年生の陪席実習の結果では、同席して直接体験することによる効果は非常に大きく、今後の臨床実習の新しい形としても注目すべきであると思われた。