著者
榮 昭博 関崎 悦子
出版者
桐生短期大学
雑誌
桐生短期大学紀要 (ISSN:13424076)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.13-17, 2005-12-06

茶の抗肥満効果を検討するため,鶏膵臓から租酵素を調製し,これを用いてリパーゼ活性に及ぼす茶の影響を調べた.その結果,次のことがわかった.1.緑茶,ジャスミン茶は顕著にリパーゼ活性を阻害した(p<0.001).2.ウーロン茶はリパーゼ活性を阻害した(p<0.01).3.プアール茶はリパーゼ活性を高めた(186%).4.緑茶よるリパーゼ活性低下には濃度依存性が認められた.5.緑茶よるリパーゼ活性低下はショ糖,でんぷんの添加では影響を受けなかったが,卵アルブミンの添加によりリパーゼ活性低下が抑制された.また,カゼインの添加ではリパーゼ活性が逆に増加した.6.にがりは顕著にリパーゼ活性を阻害し(p<0.001),そのリパーゼ活性低下には濃度依存性が認められた.
著者
榮 昭博 吉村 英悟
出版者
桐丘学園 桐生大学・桐生大学短期大学部
雑誌
桐生大学紀要 (ISSN:21864748)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.53-58, 2019 (Released:2020-06-11)
参考文献数
18

コーヒーに尿酸生成抑制作用をもつ成分を有するのかを確かめるため,3種類の市販粉末コーヒーを熱湯で抽出し, その希釈液についてキサンチンオキシダーゼ(以下,XOD)活性の阻害率を調べた.次に,コーヒーに含まれてい るいくつかの成分について,どの成分が尿酸生成抑制に関与するのかを調べるため,カフェ酸,フルフリルアルコー ル,キナ酸,カフェインについてXOD活性の阻害率を調べた. その結果,次のことがわかった. 1 .コーヒー希釈液については,濃度依存性のあるXOD 活性の阻害が示された.また,コーヒーの種類によっ て,その阻害の程度に違いが見られた. 2 .200μmol/L 濃度の各成分のXOD 活性の阻害率は,カルノシン酸75.8%,カフェ酸72.3%,カフェイン20.2%で あった.フルフリルアルコール,キナ酸の阻害率は極めて低かった. 3 .カフェインにおけるXOD活性阻害には濃度依存性が示されなかった. 4 .カフェ酸のXOD活性阻害には濃度依存性が示された. 5 .コーヒーにおけるXOD活性阻害は,コーヒーに含まれているカフェ酸の関与が示唆された.