- 著者
-
榮 昭博
吉村 英悟
- 出版者
- 桐丘学園 桐生大学・桐生大学短期大学部
- 雑誌
- 桐生大学紀要 (ISSN:21864748)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, pp.53-58, 2019 (Released:2020-06-11)
- 参考文献数
- 18
コーヒーに尿酸生成抑制作用をもつ成分を有するのかを確かめるため,3種類の市販粉末コーヒーを熱湯で抽出し,
その希釈液についてキサンチンオキシダーゼ(以下,XOD)活性の阻害率を調べた.次に,コーヒーに含まれてい
るいくつかの成分について,どの成分が尿酸生成抑制に関与するのかを調べるため,カフェ酸,フルフリルアルコー
ル,キナ酸,カフェインについてXOD活性の阻害率を調べた.
その結果,次のことがわかった.
1 .コーヒー希釈液については,濃度依存性のあるXOD 活性の阻害が示された.また,コーヒーの種類によっ
て,その阻害の程度に違いが見られた.
2 .200μmol/L 濃度の各成分のXOD 活性の阻害率は,カルノシン酸75.8%,カフェ酸72.3%,カフェイン20.2%で
あった.フルフリルアルコール,キナ酸の阻害率は極めて低かった.
3 .カフェインにおけるXOD活性阻害には濃度依存性が示されなかった.
4 .カフェ酸のXOD活性阻害には濃度依存性が示された.
5 .コーヒーにおけるXOD活性阻害は,コーヒーに含まれているカフェ酸の関与が示唆された.