著者
猪平 栄一 横井 博一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第22回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.217, 2006 (Released:2007-05-30)

階層型ニューラルネットワークには誤差逆伝搬学習によって非線形関数を近似する能力がある.ニューラルネットワークの学習能力と,構造,学習条件といった複数の設計変数との間の関係は複雑であるため,学習能力の高いニューラルネットワークを設計することは困難である.そこで,定量的な指標に基づいてニューラルネットワークを効率的に設計するために,直交配列表と分散分析に基づく実験計画法を導入することを提案する.従来の方法との違いは,ネットワークの構造,学習条件といったパラメータをできるだけ多く取り上げることによって,それらのパラメータの局所最適化を図ることである.提案手法を一般的な階層型ニューラルネットワークに応用し,その有効性を検証した.3層ネットワーク,5層ネットワークを対象としてネットワークの設計を行い,パラメータの個数,層数,繰り返し回数がネットワークの学習能力に与える影響を評価した.
著者
時田 洋輔 横井 博一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.466, pp.71-75, 2003-11-15
被引用文献数
1

本研究では,超大規模コラムネットワークをニューラルネットワーク用基本素子であるFolthretによって実現する方法を提案する.人間の持つ莫大な量の知識や知識構造を,一つの階層型ニューラルネットワークに担わせることは困難である.実際,人間の脳は単純な階層型ニューラルネットワークではなく,多くの階層型ニューラルネットワークが相互に結合した超大規模コラムネットワークを形成している.このようなネットワークをそのままハードウェア化しようとすると,配線の複雑化や計算回路の大規模化という問題がすぐに発生する.そこで,それらの問題を解決できるFolthretを用いると超大規模コラムネットワークがどのようにハードウェア化できるかについて検討する.
著者
横井 博一 吉野 慶一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.698-708, 1993-03-25

ニューラルコンピュータのハードウェア化における問題点の一つは,配線が複雑になるこである.筆者の1人が提案したFolthretは,神経細胞の離散時間学習しきい素子モデルをフーリエ級数信号により実現したニューラルコンピュータ用基本素子で,配線の複雑化の問題をかなり解決できる.本論文は,このFolthretの学習能力を調べることを目的としている.そのためまず,Folthretをアナログ回路とディジタル回路両方が混在した形で電子回路化した.その結果,基板サイズが15cm×15cm,ICの数が26個の回路規模となった.基板面積の半分は結合荷重用メモリ部が占めた.次に,電子回路化したFolthretを用いて,10個の数字および26個の英文字のパターン認識に関する学習実験を行った.これと同時に,離散時間-離散情報学習しきい素子による計算機シミュレーションも行った.その結果,電子回路化したFolthretは,離散時間-離散情報学習しきい素子と同様,実験で用いたどのパターンの認識も学習できることが示された.また,学習完了までの学習サイクル数と出力を調べたところ,離散時間-離散情報学習しきい素子に大体近い動作をしていることが確認できた.
著者
河野 卓郎 横井 博一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.419, pp.75-78, 2005-11-12
被引用文献数
1

ヒトや霊長類は複雑な動作が必要な場合には, まず脳内シミュレーションによって試行錯誤や創意工夫し, 最適な動作を想像する.また同時にその結果を学習することで実空間で最適な動作が可能となる.本研究の目的は, 人間の脳内シミュレーションと学習能力を模倣し, ロボット自身が目的に達する歩行パターンを想像しながら学習をする制御システムを提案し, 二足歩行ロボットに応用させることである.本制御システムは想像するネットワークと学習用ネットワークを用いたシステムで, CPGのパラメータ値をGAで探索することによって, 未知の環境で目的に達する動作を想像し, また同時に想像で得られる歩行パターンと環境情報の関係性を学習用ニューロンネットワークに学習させた.その結果, 想像で得られた歩行パターンが生成され, 本制御システムの有効性が示唆された.
著者
谷添 鉄平 河本 晶晴 武藤 大治 横井 博一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.419, pp.93-96, 2005-11-12
被引用文献数
1

これまでの自動運転の実現は通常のプログラミングによって外部の情報端末と連動することによるものや, ファジィ制御によって開発が進められてきた.しかしこれらの技術には複雑なファジィルール及びメンバーシップ関数の作成が必要であり, また入力変数の増加にともなってファジィルールの数が膨大になるなどの欠点があげられる.そこで状況に応じて必要な操作を生成するシステムの開発のために, 学習能力及び汎化能力を持つニューロンネットワークに着目した.本研究の目的は, インフラの整備が行われていないような駐車場においてボルテラニューロンネットワークを利用することにより, そのような場所での車両単独での自動駐車を行うシステムを提案し, その有効性を検討することである.
著者
末松 悟 横井 博一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.465, pp.35-38, 2003-11-14
被引用文献数
2

従来の筋電義手の研究では,ニューラルネットワークに指動作を学習させて同様の筋電位が入力された場合に動作を再現する方法がとられている.しかし,日常生活で必要とする動作は無数にあるため学習した動作のみでは十分ではない.そこで,学習した動作情報をもとに新たに動作が生成できるシステムが必要となる.本研究は,手首から先を切断したと仮定して,有限の学習動作から多彩な動作を実現できる多自由度筋電義手の開発を目的とする.そのために,未学習動作の生成について検討を行った.ボルテラネットワークによって前腕から計測した筋電位と指関節角度と各指関節間の相関を学習し,学習していない動作に対応する筋電位を入力した場合の出力について検討を行った.
著者
宮本 博文 魚井 孝則 横井 博一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.419, pp.83-88, 2005-11-12

現在の筋電義手は, 切断者の残存する筋肉から誘導される筋電位信号を読み取り, 読み取った筋電位信号を制御信号として義手を制御している.しかし, 切断部位が高位に及ぶに従って筋電位信号を読み取る箇所が減り, 全ての可動部を操作することは非常に困難になる.そのため, 筋電義手だけでは高位切断者用の義手を開発することは出来ない.そこで本研究の目的は, 高位切断者に対応した, 多自由度の筋電義手補助システムを実現することである.高位切断者の全ての可動部を操作するために, 両腕動作間の関係を利用して, 健常腕の動作から義手に求められている動作を推定し, これを目標値として制御する方法を提案した.複雑な両腕動作間の関係を学習するために, リカレント型のボルテラニューロンネットワークを使用して, 人間の両腕動作間の関係についてシミュレーションを行った.その結果, 目標値とほぼ一致する動作が生成でき, 本システムの有効性が確かめられた.