著者
中田 貴大 牧野 英記 加藤 高英 仙波 真由子 河野 幹寛 梶原 浩太郎 伊藤 謙作 濱口 直彦 兼松 貴則 横山 秀樹
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.10, pp.2206-2211, 2015-10-10 (Released:2016-10-10)
参考文献数
7

陰圧性肺水腫(negative pressure pulmonary edema:NPPE)は,上気道閉塞に伴う胸腔内圧の急激な低下により発症する非心原性肺水腫である.診断や治療の遅れは致命的になる可能性があるが,速やかな診断と治療を行えば,短時間で大きな合併症もなく回復することができる.日常診療において内科医が本疾患に遭遇する機会はあり,忘れてはならない疾患の1つである.痙攣発作後に持続する低酸素血症の際には,NPPEを鑑別の1つとして挙げるべきである.
著者
一瀬 幸人 原 信之 矢野 篤次郎 麻生 博史 横山 秀樹 大田 満夫
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.233-238, 1993-04-20
被引用文献数
3

開胸により発見された癌性胸膜炎(胸膜播種あるいは癌性胸水)9例,および手術操作によって癌が散布されたと思われた症例(胸月空内再発リ又ク症例)など10例,計19例に対し,閉胸前に胸月空内Hypotonic Cisplatin Treatmentを施行した.この処置は,37℃に加温した蒸留水にシスプラチン濃度が50μg/mlになるようにした低張性溶液で10〜15分問,胸腔内を暴露するものである.評価可能な癌性胸膜炎8例全例において,現在までのところ6〜29ヵ月問,胸膜病変はcontrolされている.また胸腔内再発リ又ク症例群においても最長31ヵ月の観察期問中,月河膜病変の出現はない.この処置により胸膜が破壊される為,術後排液量が非施行群に比し有意に多い以外は術中,術後に重篤な合併症はない.