著者
横林 賢一
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.322-325, 2010 (Released:2015-05-30)
参考文献数
7

クリニカルジャズはEBMと臨床経験の振り返りを調和させつつディスカッションを進める教育セッション (症例検討会) として知られている. 振り返りを重要な構成要素とするクリニカルジャズは, Reflection in action, Reflection on action, Reflection for actionのすべてに関与しており, 省察的実践家にとって有用なツールとなる. また, 振り返りが含まれることを特徴とするポートフォリオとも親和性が高い. ポートフォリオのアウトカム領域に合致する症例をクリニカルジャズ方式で検討することで, クリニカルジャズはポートフォリオ検討会としての役割も果たす.
著者
横林 賢一
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.268-272, 2011 (Released:2015-05-30)
参考文献数
6

・わが国における65歳以上の認知症の有病率は約8%と高く, 今後も増加すると推定されている・プライマリケアセッティングにおいて, 通常の病歴聴取と身体診察のみでは50%以上の認知症患者が見逃されていると報告されている・認知症を評価する際には, 中核症状・BPSDの評価に加え, ADL・IADL・AADLやサポート状況等も確認する必要がある・認知症の診断では, 認知症と鑑別すべき病態の除外, 治療可能な認知症の診断と, 認知症を呈する頻度の高い疾患 (アルツハイマー病, 脳血管性認知症, Lewy小体型認知症) の特徴について知っておくことが大切である・治療の際, 薬物療法を開始する前に, 患者の「その人らしさpersonhood」を維持するケアやリハビリテーションの介入を考慮しなければならない・患者のみならず, 家族などの介護者のケア・サポートも並行して行なう必要がある