- 著者
-
横林 賢一
- 出版者
- 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
- 雑誌
- 日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.3, pp.268-272, 2011 (Released:2015-05-30)
- 参考文献数
- 6
・わが国における65歳以上の認知症の有病率は約8%と高く, 今後も増加すると推定されている・プライマリケアセッティングにおいて, 通常の病歴聴取と身体診察のみでは50%以上の認知症患者が見逃されていると報告されている・認知症を評価する際には, 中核症状・BPSDの評価に加え, ADL・IADL・AADLやサポート状況等も確認する必要がある・認知症の診断では, 認知症と鑑別すべき病態の除外, 治療可能な認知症の診断と, 認知症を呈する頻度の高い疾患 (アルツハイマー病, 脳血管性認知症, Lewy小体型認知症) の特徴について知っておくことが大切である・治療の際, 薬物療法を開始する前に, 患者の「その人らしさpersonhood」を維持するケアやリハビリテーションの介入を考慮しなければならない・患者のみならず, 家族などの介護者のケア・サポートも並行して行なう必要がある