著者
宮脇 昇 山本 隆司 横田 匡紀 清水 直樹 西出 崇 後藤 玲子 藤井 禎介 玉井 雅隆 山本 武彦
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

「やらせ」の政治的演出は情報の不完備性に依拠している。「やらせ」を命じる政治的演出者と「やらせ」を見る観客の双方に共通知識があたかも(as if)存在するかのごとく演出されるが、現実には観客の有する情報は限定的・選択的でしかない。被操作者は必ずしも完全な知識を有さない。情報の不完備性・非対称性が政治的演出としての「やらせ」を可能にし、公共政策の政策過程の循環を演出者の意図にそって進行させる。また非民主主義国では「やらせ」を内在化した情報操作が権力維持のために恒常化している。しかし世界的な民主化の波、インターネットの普及、情報公開制度の拡大により、成功的演出の条件が困難になった。