著者
小佐野 仁志 松本 浩一 野口 忠秀 草間 幹夫 櫻井 信司
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.136-139, 2005-03-20 (Released:2011-04-22)
参考文献数
14

A 76-year-old man presented with swelling of the right side of the maxilla. Spindle cell sarcoma was diagnosed on examination of a biopsy sample of the right maxillary sinus. We started CYVADIC (cyclophosphamide, vincristine, adriamycin, dacarbazin) chemotherapy. A favorable clinical response was obtained with 4 courses of chemotherapy. Partial resection of the maxilla was followed by 6 courses of CYVADIC therapy, because a small residual tumor was suspected. Histopathological examination revealed no residual tumor cells.Chemotherapeutic intervention appears to have been effective, with no apparent recurrence of lesions at present, 14 years after chemotherapy.
著者
石田 亜光 斉藤 誠人 永瀬 泰平 冨澤 一与 栗原 康哲 高草木 俊範 櫻井 信司
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.486-492, 2017-09-25 (Released:2017-09-30)
参考文献数
17
被引用文献数
1

ベセスダシステムは,atypical squamous cells(ASC)やatypical glandular cells(AGC)のカテゴリーを採用することで,判定困難な細胞症例における臨床的対応を明確にした。しかし,それでもASC,AGCの何れに判定すればよいのか苦慮する異型を伴う化生細胞症例が存在する。これらの細胞について,判定者間の判定のばらつきについて調査し,問題点を明らかにした。近隣5施設に所属する細胞診専門医4名,細胞検査士20名に異型化生細胞の写真18問を提示し,ベセスダシステムのカテゴリーでの判定を依頼した。その結果,異型化生細胞の評価に関する判定者間の一致率は極めて低く(κ‍値 −0.17~0.39),経験年数や細胞診専門医・細胞検査士別でも一致する傾向はみられなかった。異型を伴う化生細胞は,現在のベセスダシステムのカテゴリーを用いた評価では,判定者間でほとんど一致しないことが明らかとなった。近年,異型未熟化生細胞の一部にハイリスクHPV感染が関わることが明らかとなっており,このような細胞の判断基準,取り扱いについて新たな検討が必要と考えられた。