著者
下田 祐紀夫 櫻井 文仁 宮崎 晴夫
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.114-122, 1995-06-15
被引用文献数
3

機械加工では工具が寿命になったことに気づかなければ不良品が発生し, 生産量に変動をきたす.本論は, 2つの工具で順次加工する2段階加工を対象とし, 加工中に工具が寿命になると加工の中断時間が発生する場合に, 各工具の交換時期を決定するための統計的方法を与えている.複数工具の交換時期の決定は, 定式化の複雑さのため, 過去の実績にもとづく試行錯誤的な方法で行われているのが現状である.本論では, 2段階加工の場合に「各工具の工具交換時期」と「各工具の寿命分布」および「工具異常による加工の中断時間」が「生産能率」に与える影響を, 同時分布の概念を用いて定式化し, 能率基準のもとで, 各工具の交換時期を設計するための理論的方法を与えている.2段階加工では, 単一工程の場合と同じ方法で工具の交換を行うと生産能率が低下することを数値例で示している.
著者
下田 祐紀夫 櫻井 文仁 渡邊 博之
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.151-158, 1997-10-15
被引用文献数
2

切削加工では, 工具欠損が発生すると切削不能になるため, 工作機械, ロボット, 無人搬送車等をストップさせ, 復旧作業を行うために作業者がついていなければならず, 切削加工は自動化されているものの無人化されていないのが現状である.加工システムの信頼度を低め, 無人化を阻止している要因の一つが突発的に発生する工具欠損である.本論は, 工具寿命を「摩耗によるもの」と「欠損によるもの」とにわけ, 各々の工具寿命分布を考慮して問題を定式化し, 工具欠損の発生による加工の中断を少なくし, 信頼度の高い加工システムを構築するために工具の選択法と工具交換時期等の設計法を与えている.
著者
下田 祐紀夫 櫻井 文仁 早部 哲夫
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.263-273, 1999-10-15

切削加工の無人化を阻止している要因の一つが, 加工中に突発的に発生する工具欠損である.工具が欠損すると, 切削不能になるため, 復旧作業を行うために作業者がついていなければならないからである.本研究は, 夜間の切削加工を対象とし, 「加工中に工具が寿命になった場合は, 機械を停止させ, 朝まで停止したままとする」の前提のもとに切削加工を無人化した場合に, どのような問題が発生するかを明らかにした上で, 「切削加工の無人化への移行基準」を提案している.工具欠損の発生頻度が少ない場合は無人化した方が経済的となる分岐点が存在することを示し, 分岐点を求めるための生産量モデルと生産コストモデルを与えている.