著者
岡田 知也 櫻井 進 坂井 理絵子 渡辺 カンナ 岩田 あずさ 菅野 義彦
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.629-636, 2014 (Released:2014-10-28)
参考文献数
30

維持血液透析 (HD) 患者における残腎機能の低下に影響する因子について検討した. 対象はHD患者25名. 透析導入日より60±65日後から蓄尿検査を行い, 尿量200mL/日未満になった時点で残腎機能消失とした. 2年間の月当たりの尿量変化 (ΔUV), 推定糸球体濾過量 (eGFR) の変化 (ΔeGFR) を求め, 臨床指標との関係について検討した. 重回帰分析では2年間の基本体重の変化率がΔUVと有意, ΔeGFRと有意に近い関連を認めた. Cox比例ハザードモデルにより残腎機能消失に関連する因子は, 尿蛋白量, 基本体重の変化率, 初回蓄尿時尿量だった (hazard ratio, 3.30, 0.84, 0.995, p=0.004, 0.04, 0.007). HD患者において, 残腎機能の消失に尿蛋白量, 基本体重の減少が関連していた. 残腎機能の経過と体液, 栄養状態との関係について前向きに検討する必要があると考えられた.
著者
本城 保菜美 竹口 文博 加藤 美帆 林野 翔 長島 敦子 櫻井 進 渡邊 カンナ 宮岡 良卓 長岡 由女 菅野 義彦
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.409-413, 2018 (Released:2018-06-28)
参考文献数
9

症例は61歳女性. 2型糖尿病およびそれに伴う慢性腎臓病のため通院していたが, 7か月前の最終外来以降, 治療を自己中断していた. 労作時呼吸困難, 食欲低下が出現し, 緊急入院時にはHb 6.0g/dLと高度貧血を伴う末期腎不全の状態だった. 本人のみ宗教上の理由により輸血を拒否していたが, 夫を含めて話し合いをした結果, 相対的無輸血治療に同意したため緊急透析導入した. 貧血に対して赤血球造血刺激因子 (ESA) 製剤であるダルベエポチンαの増量, 鉄補充療法を中心とした治療で管理可能であった. 血液透析患者の導入期にはESA抵抗性因子が多数存在するが, 緊急を要しない貧血であれば適切な治療により無輸血で管理可能であることが示唆された.
著者
櫻井 進 谷川 武 岡 靖哲 中田 光紀
出版者
天理医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ホノルル在住日系人および日本人計29名(男31%、平均70歳)を対象に、SASスクリーニング検査、家庭血圧測定、ハーバード大睡眠問診票(日本語版)等を実施した。平均3%ODI値は男20%、女13%であった。舌骨-顎先端長と睡眠呼吸障害の重症度、就寝前後の心拍数の間にそれぞれ有意な関連を認めた。SASが疑われる者に精査勧奨したところ、SAS治療中または受診嫌悪者であった。受診嫌悪の理由は、検査および治療費用が高額であることだった。