著者
權 珍嬉
出版者
(財)東京都老人総合研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

今年度は,1)介入後6ヶ月間の追跡調査を行い,介入効果がその後,筋力維持,さらには筋力維持による生活機能の改善,食生活の改善,SF-36,血液検査の結果値,介護保険申請状况などを検討すること,2)介入前後,追跡調査結果の分析を行って筋肉減少症を予防することを目的とした3ヶ月間の栄養と運動の介入プログラムの実施による健康や栄養状態の改善維持に及ぼす影響について検討することを目的とした。「運動+栄養(29名)」「運動(27名)」,「対照群(28名)」の3群に分けて3ヶ月間の栄養と運動の介入プログラムを実施した後,平成19年3月22・23日に介入後の調査を行った。地域に在住する虚弱女性高齢者を対象に筋肉減少症を予防することを目的とした3ヶ月間の栄養と運動の介入プログラムの実施による健康や栄養状態に及ぼす影響について分析した。分析は,介入プログラム参加率の50%以上者を対象に行った(運動+栄養群25名,栄養群22名,対象群28名)。その結果,介入により「栄養と運動」群で食品摂取多様性が有意に高くなり,SF-36では日常役割機能(身体)体の痛み,日常役割機能(精神),心の健康が有意に改善されたことが明らかになった。血液検査ではPrealbuminが高くなり,身体機能では通常歩行速度や最大歩行速度が有意に速くなった。介入後6ヶ月間追跡し,平成19年10月8 9日に追跡調査を行い76名が参加した。調査内容は,面接聞き取り調査(健康度自己評価,転倒,食生活,SF-36など),身体計測および体力評価(体重,筋肉量,筋力(握力),バランス能力(片足立ち),歩行速度(通常・最大),採血検査である。追跡調査後,本研究の「非介入群」を対象に「運動+栄養群」に実施した栄養と運動プログラムを提供した。
著者
金 憲経 鈴木 隆雄 吉田 英世 大渕 修一 權 珍嬉 石垣 和子 島田 裕之 吉田 英世 齋藤 京子 古名 丈人 大渕 修一 鈴木 隆雄
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

老年症候群の複数徴候保持者の割合は15.3%と高く,老年症候群の複数徴候には転倒恐怖感,通常歩行速度が有意に関連した.複数徴候保持者の徴候解消を目的とした3ヶ月間の包括的運動プログラムの効果を検証した結果,生活機能低下や尿失禁が有意に改善された.とくに,歩行機能が向上された群で改善率が高かった.以上の結果より,包括的運動介入は複数徴候改善に有効であり,歩行機能の向上は徴候改善に寄与することを検出した.