著者
武井 史郎
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

青色素胞はネズッポ科魚類の2種においてのみ報告されている色素胞であるが、その色素を構成する物質は未知である。本研究はなぜこれら2種だけが青色素胞を用いるのか?という問いに答えるために、魚類における青色素胞の機能的意義の解明を、質量顕微鏡法、ラマン顕微鏡法、電子顕微鏡による元素分析とを組み合わせて目指す。既知の青色素胞を持つ魚2種を用いて青色色素の同定を試みたのち、他の魚種においても解析を試みる。これらの解析により、魚類における青色素胞の意義と起源の解明を目指していく。
著者
百瀬 修 武井 史郎 前川 陽一 内田 誠 宗宮 弘明
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.933-939, 2003-11-15
被引用文献数
2 3

表層性の魚食魚であるシイラの遠近調節糸と視神経細胞の分布を調べた。シイラは発達した水晶体筋を持ち,水晶体筋はバンド状の筋成分で虹彩に結び付けられていた。水晶体筋は約240本の有髄神経線維によって支配されていた。中心野は網膜側頭部,視軸は前方,視精度は約8.3cycles/degreeであった。視精度の優れた視野は水平方向に広がっていた。シイラは表層で広く水平方向を見渡し,発達した遠近調節能力を駆使して餌生物をねらう視覚捕食者であることが裏付けられた。